2022 Fiscal Year Research-status Report
Itagaki Taisuke's Perception and Guidance of the Political Party
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20K00942
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
真辺 美佐 立正大学, 文学部, 准教授 (80845066)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 明治維新 / 公議輿論 / 自由民権運動 / 政党 / 第一次大隈内閣(隈板内閣) / 第二次山県内閣 / 内務大臣 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022(令和4)年度は、コロナ禍により2020年度と2021年度に実施できなかった台湾での史資料調査を行った。台湾には、板垣退助が台湾での民主化を進めるため台湾同化会を組織するため、1914(大正3)年と1915年に渡台した際の動静を窺える史資料が残されている。もっともここ10年で台湾の諸機関ではデジタルデータ化が進み、国外からもアクセス可能なデジタルデータが増えたが、台北の中央研究院(台湾史研究所档案館と図書館)、国立台湾大学、国立台湾図書館には入館しないと閲覧できないデジタルデータ・史資料が存在しており、今回、それらを重点的に調査し、数多くの資料を蒐集することができた。そのほか、台北、台中、台南、屏東(旧・阿猴)、高雄(旧・打狗)など、板垣が渡台した時の足跡調査も行うことができた。 論文等執筆は、昨年度に引き続き、自由党と進歩党とが合同して誕生した憲政党時代の板垣退助の政党論と政党指導の検討を進めた。これとは別に、2018(平成30)年に中国・南開大学で開催された国際学術シンポジウム「明治維新と近代世界」で発表した内容を改訂増補した論文「板垣退助における明治維新の理念と自由民権運動の論理」を執筆し、『立正大学文学部論叢』146(2023年3月)で発表した。本論では、明治維新の理念「公議輿論」に着目しながら、それが自由民権運動の論理とどのように接続・展開したのかを1868(明治元)年から1881年までの時期を対象として考察した。 このほか自由民権運動研究を開拓した鈴木安蔵氏の旧蔵資料が立正大学図書館に未整理状態で所蔵されていたため、報告者の同学着任を機に単独で資料整理に当たり、調査を行った。その成果は「立正大学所蔵「鈴木安蔵旧蔵資料」とその意義」(『立正大学文学部研究紀要』第39号、2023年3月)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022(令和4)年度は、職場を異動し、研究・教育環境が変化したり、母が他界したり、コロナに感染したりと種々あったため、(1)当初の計画以上に進展しているとは言い難いものの、おおむね順調に進めることができた。 具体的には、コロナ禍下で制限されていた海外渡航が可能となり、海外・台湾での史資料調査を行うことができた。台北の中央研究院(台湾史研究所档案館と図書館)、国立台湾大学、国立台湾図書館にて多くの史資料の蒐集・調査が行えたほか、国内でも新型コロナウイルス対策の閲覧時間制限や閲覧者制限も大幅に解除されたことによって、前年度までに比べ、国立国会図書館等での史資料調査をより多く進めることができた。 またそれらを読解して文章化する作業も順調に進めることができ、そのうち「板垣退助における明治維新の理念と自由民権運動の論理」(『立正大学文学部論叢』146、2023年3月)、論文「立正大学所蔵「鈴木安蔵旧蔵資料」とその意義」(『立正大学文学部研究紀要』第39号、2023年3月)の2本の論文を発表できたほか、今後の成果発表のための基礎固めの作業も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023(令和5)年度は、翌年度の本研究の総纏めを視野に入れて、高知市立自由民権記念館始め、明治新聞雑誌文庫、三重県松阪市郷土資料室等に所蔵されている新聞・雑誌・文書などのまだ調査を行えていない史資料の調査を全て終えたいと考えている。ただし、未整理史料や新史料が確認された場合は、今年度のように柔軟に対応して研究計画を調整しながら、史料調査・蒐集に当たりたいと考えている。 併せて、最終年度には一冊の本として出版できるよう、(1)2022年度に引き続き、立憲政友会成立前後の板垣の政党論と政党活動を検討すること、(2)いわゆる政界引退後板垣が死去するまで行った社会運動と、それまでの政党論と政党活動との関係を明らかにすること、(3)これまで文章化したものを見直し、修正・調整すること、の三点を中心に、研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
台湾出張での支出費を多めに見積もっていたが、史資料蒐集は、紙焼きでの蒐集よりもデジタルデータでの蒐集が多く、想定以下の金額で収まったため。よって2023年度の史資料調査費用に充てたい。
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Research Products
(5 results)