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2023 Fiscal Year Annual Research Report

近現代日本における生業と生活世界に関する実証的研究

Research Project

Project/Area Number 20K00946
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

沼尻 晃伸  立教大学, 文学部, 教授 (30273155)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords生業 / 生活世界 / 日記 / 石工 / 山野 / 水辺 / 家族周期 / 女性
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、20世紀の日本を対象とし、ミクロ歴史研究の手法を用いて人々の生業と生活世界を動態的に解明することを課題とする。コロナ感染拡大の影響で日記史料所在地での実地調査と聞き取り調査が長期にわたり実施できなかったため、当初計画を一部変更し、女性が記した文献史料から生活世界を復元する点も課題に組み込んだ。
本年度の研究成果は、以下の2点にまとめられる。第一に、上記課題に関する史資料収集調査及び聞き取り調査を図書館や個人宅などにおいて実施し、収集した資史料のデータ整理を行った。第二に、日記史料と女性が記した資史料に基づく生業と生活世界に関する分析と成果発表である。1920年代における生業と生活に必要となる草の採取などの山野の利用は、入会地だけでなく、利用者が種々の関係性を構築した村内上層の所有地においても行われた点、1970年代においても「人間らしい願望」などを根拠に生活に根ざした水辺利用を守ろうとした主婦らの主張を自治体は承認し水辺の維持を図った点を明らかにした。
研究期間全体を通じて実施した研究の成果は、以下の2点にまとめられる。第一に、家族周期に即した生業と生活との相互補完関係と緊張関係についてである。山間部に居住する石工の日記史料を用いて1920年代から戦時期を分析し、妻の出産の際には夫による妻の仕事の代替や関係する家々によるサポートなどがみられたが、恐慌期や子が仕事の担い手になる前で家族のケガや病気が多発した時期にはそのような対策が取り難かった点、日中戦争期以後、生業と生活を支えた種々の関係性が動揺し再編された点を明らかにした。第二に、生業や生活に必要な土地利用に関してである。この点は上述の通りであるが、利用者の側から所有者・管理者に対する種々の働きかけや主張により、「価値ある存在」として利用者が所有者・管理者に承認されることを通して利用が認められた点を明らかにした。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「書評 大門正克・長谷川貴彦編著『「生きること」の問い方:歴史の現場から』」2023

    • Author(s)
      沼尻晃伸
    • Journal Title

      日本史研究

      Volume: 731号 Pages: 67-74

  • [Journal Article] 「2023年度歴史学研究会大会報告批判(現代史部会)」2023

    • Author(s)
      沼尻晃伸
    • Journal Title

      歴史学研究

      Volume: 1043号 Pages: 45-47

  • [Presentation] 近現代日本の土地所有と共同性ーー水辺・山野利用と市街地形成ーー2023

    • Author(s)
      沼尻晃伸
    • Organizer
      2023年度史学会大会公開シンポジウム「土地所有の世界史」
  • [Book] 『〈一人前〉と戦後社会』2024

    • Author(s)
      禹宗ウォン・沼尻晃伸
    • Total Pages
      267
    • Publisher
      岩波書店
    • ISBN
      978-4-00-432010-4

URL: 

Published: 2024-12-25  

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