2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00961
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
遠藤 ゆり子 淑徳大学, 人文学部, 教授 (70612787)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中近世移行期 / 南東北 / 大名 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者・研究協力者が、それぞれ担当する大名や地域に関する研究状況を把握することに努めた。それらは文献一覧にまとめ、所蔵施設への文献収集調査の計画を立てた。だが、新型コロナウィルスの感染拡大により、東京から東北地方への移動が難しかったり、図書館等の施設が閉館していたり、入館人数の規制を設けていたりしたため調査を実施できず、収集はあまり進んでいない。また、史資料の所在や翻刻の有無の把握も、史資料の所蔵機関を訪問して利用することができなかったため、これも行うことができなかった。だが、オンライン上にて史資料の所蔵状況や、写真による史料の内容確認など、可能な範囲で研究を進めた。また、史資料の収集調査を実施できなかったこと、大学への入構制限があって学生・大学院生に研究協力を依頼できなかったことにより、予定していた文書目録の作成もほとんど進んでいない。 しかし、オンラインにて研究会およびミーティングを開催する環境は整えることができた。研究会では、戦国時代の伊達氏に関する史料『性山公治家記録』を素材に、二度にわたって検討をおこなった。ミーティングでは、コロナ禍における各地の現状について情報交換をするとともに、調査可能な所蔵先をピックアップして調査計画を立てた。だが、新型コロナウィルスが再び感染者・感染地域ともに拡大したため、結局は調査の実施は難しい状況となり断念せざるを得なかった。 このように本研究の主目的である調査を実施することはできなかったが、研究代表者・研究協力者が中心となってまとめた書籍(南奥羽戦国史研究会編『伊達政宗 戦国から近世へ』)を刊行することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、史資料を悉皆的に調査・収集することを重視している。しかし、新型コロナウィルスの影響により、移動が制限されていたり、史資料の所蔵機関が閉館していたり、県外からの調査者を受け入れなかったりという状況が続き、史資料の調査・収集を行うことがまったくできなかった。文献収集も、同様の理由から進んでいない。また、学生・大学院生の協力を得て、文書目録の作成を試みようとしたが、学内への入構制限により実施できなかった。さらに、新型コロナウィルス対策のため、通常とは異なる業務が増えたため、研究代表者も、研究協力者も本研究のために充分な時間をとることが難しかった。そのため予定通りの研究を進めることができず、大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大状況を見ながら、研究を進めるために柔軟な対応をとっていきたい。いつでも調査に出られるよう、収集すべき文献目録を充実させ、調査先との連携をできるだけとっておきたい。東北地方へ出向き、文書の閲覧・撮影をおこなう調査を実施できない場合は、東京都内の研究施設等にある複写物を調査するなど、対応策をとることで研究を推進していきたい。また、東北地方の研究協力者を募り、調査を依頼することも検討したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、調査や対面での研究会をまったく実施できなかった。そのため調査および研究会にともなう旅費・複写費・運搬費、調査成果である資料を整理するための人件費の支出がなかった。また、研究代表者の研究機関における入構制限により、研究機関にて設備備品等をととのえることができず支出もなかった。以上の理由により、次年度の使用額が生じた。次年度は、研究代表者の研究機関に入構可能となるため、まずは設備備品等をととのえたい。その上で、新型コロナウィルス感染症に気をつけつつ、可能な範囲で調査を進め、資料整理を大学生・大学院生に依頼して研究をおこなっていきたい。それらの調査旅費・人件費として助成金を使用したい。
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Research Products
(7 results)