2020 Fiscal Year Research-status Report
寺院史料の調査と個別的動向の解明に立脚した近世宗教政策像の更新
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20K00964
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
朴澤 直秀 東洋大学, 文学部, 教授 (70377696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
上野 大輔 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (90632117)
林 晃弘 東京大学, 史料編纂所, 助教 (10719272)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 成菩提院 / 教団内の金の流れ / 教団構造 / 政教関係 / 宗教政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
滋賀県米原市の天台談議所で中本寺の成菩提院の調査をはじめ、研究分担者・研究協力者との寺院史料調査や、研究代表者単独による寺院史料・地方史料・藩政史料などの調査については、今年度は新型コロナウィルスの影響により実施することができなかった。ただし、研究分担者の曽根原理氏を中心に調査先との連絡を継続し、来年度以降の調査実施の準備に努めた。また、曽根原氏によりAssociation for Asian Studies 2021年カンファレンスにおいて、「Religious Transformations in Early Modern Japan: Relationships Between the State, Religious Organizations and Communities」が報告され、成菩提院の動向・位置づけを、天台宗教団・比叡山延暦寺との関係を中心に、通時的に見通す視座が示された。 研究代表者は、同カンファレンスにおいて「Revenue Flows and Sectarian Structures in Early Modern Buddhism」を報告し、その準備過程において、宗教政策を捉える上で前提となる教団の構造や特性について、差異と共通性とを考察した。また、教団構造や宗教政策の基調について、中国・韓国との比較において整理する「State Control and Administration of Buddhist Sects Through Autonomy Within the Socio-political Context of Early Modern Japan」なども公表した。 また、研究分担者の上野大輔氏によっても、真宗の地域的な教団構造や、近世初期の政権と教団との関係についての論考・報告が提示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた成菩提院の調査については、新型コロナウィルスの影響で実施できなかったが、「研究実績の概要」欄に記したように、同寺院の調査に関しても、また全体的な論点についても、次年度以降の調査・研究の進展に繋げることのできる成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、新型コロナウィルスの蔓延やワクチン接種をめぐる状況を見計らいつつ、寺院史料などの調査を実現させたい。それとともに、宗派横断的な視座から考察を深めるべく、史料・文献を博捜し、研究を進めて行きたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で史料調査が実施できなかったために、次年度使用額が生じた。これについては、新型コロナウィルス感染症、ワクチン接種をめぐる状況を見計らいながら、史料調査を実施していくことと、また状況を見計らいながら文献・史料の博捜などに使用し、研究を進展させていきたい。
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Research Products
(9 results)
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[Book] 仏教事典2021
Author(s)
日本佛教学会(項目「檀家制度」執筆、朴澤直秀)
Total Pages
724
Publisher
丸善出版
ISBN
978-4-621-30582-9