2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K00989
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
齊藤 紘子 (山下紘子) 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (80736942)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小藩 / 藩領社会 / 陣屋 / 陣屋元村 / 地域社会 / 都市大坂 / 家中 / 武家奉公人 |
Outline of Annual Research Achievements |
22年度は、これまで調査してきた伯太藩陣屋元村の青木家文書を用いて、陣屋元村の村落構造について具体的に分析を進めた。その際、陣屋元村における〈史料〉と〈集団〉に注目し、家中と村落共同体という2つの身分集団の存在を前提としつつ、陣屋元村が都市化するなかで、家臣団・村いずれかの〈集団〉に属した家や個人の多くが別の〈集団〉に属する家・個人とも相互に密接な社会関係を結んでいたことを指摘した。また、領内の村々から徴発されて陣屋に詰めた武家奉公人や、都市化した空間に暮らす借屋人、出稼ぎなどとして流入し定着した者などは、家臣団・村どちらの〈集団〉にとっても周縁的な存在であり、こうした人々の姿が、近世後期に増加していくことを明らかにした。そして、都市化に伴う人口増加の局面と村方による人別・家数管理、村落秩序の動揺などについて検討することで、近世後期における陣屋元村の社会構造の一端を解明した。以上の研究は学術論文として、塚田孝・佐賀朝・渡辺健哉・上野雅由樹編『周縁的社会集団と近代』(文学研究科叢書12)清文堂出版、2023年3月に掲載された。 さらに、これまで研究を行ってきた大坂定番としての伯太藩と大坂の都市社会との関係については、17世紀後期における定番屋敷の家臣団編成や武家奉公人の供給構造に関する個別研究を踏まえて概括的な論稿を作成した。 今年度は後半に産休・育休を取ったこともあり、1年を通じて当初計画した通りには調査・研究は行えなかった。次年度、研究の再開に向けて準備し、計画を再設定したうえで課題を遂行していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
22年度は妊娠・出産・育児に伴い、計画通りの調査・研究が行えなかったため。特に、遠方への出張や、史料調査などが全く実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
22年10月以降、産休・育休のため研究中断期間に入り、現在は研究再開に向けて準備を進めている段階である。まだ研究より育児の占める時間の方が長い状況であるが、23年度秋以降、本格的に研究を再開する予定である。その際の課題として、これまで進めてきた伯太村青木家文書について、より掘り下げて分析を行うこと、当初実施予定である伯太藩領の未調査史料について、調査に着手することが挙げられる。これらを進めることにより、遅れている分を取り戻したい。
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Causes of Carryover |
22年度は妊娠・出産・育児休暇取得によって、研究遂行が不可能となったため、次年度使用額が生じた。23年度の年度途中より研究を再開する予定である。22年度に予定していた史料調査などのうち、比較的近距離で行える可能なものから順次実施していく予定であるが、現時点ではまだ具体的な計画は立てにくい状態であり、今後の育児の状況なども踏まえて詳細な計画を立てていきたい。
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Research Products
(2 results)