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2022 Fiscal Year Research-status Report

Reconsideration of the control of different races through conciliation in the Tang dynasty by carved historical materials

Research Project

Project/Area Number 20K01010
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

森部 豊  関西大学, 文学部, 教授 (00411489)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords羈縻支配 / ソグド系武人 / 東ユーラシア帝国 / 契丹
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は、中国大陸において相次いで発見されている唐代(618~907 年)の石刻史料のうち、墓に死者とともに埋葬された墓誌の分析を通じ、編纂史料から構築された「唐代史」という歴史像を、新たに検討しなおした。
一つは唐朝の軍事力を支えた非漢人のうち、唐の中後期に活動したソグド系武人の系譜を、5 つの墓誌をとりあげ、分析した。その結果、当該時期に活動したソグド系武人には、唐朝の「羈縻支配」の中から登場してくるソグド系突厥の他、安史の乱の最中、唐朝の呼びかけによって中央アジア方面から中国へやって来たソグド系武人が含まれていること、また涼州に居住しつづけていたソグド人グループ(羈縻支配下にあったかは判然としない)の中から、武人として台頭してきた者たちもいることを明らかにした(「唐代中後期のソグド系武人に関する覚書」『文書・出土・石刻史料が語るユーラシアの歴史と文化』関西大学東西学術研究所)。
次に、帝京大学で開催された「シルクロード学研究会 2023 冬」において「唐の「羈縻」支配と契丹」と題して発表を行い、唐朝の「羈縻」支配は、普遍的なものではなく、支配地域や支配するエスニック集団についてそれぞれ異なっていたことを明らかにした。具体的には、唐代の営州(遼寧省朝陽市)に置かれた契丹集団を事例としてとりあげ、新出の石刻史料を分析することによって、この問題に対する見通しを述べた。
そして最後に、新たに得られた「唐朝の羈縻支配」像の再検討の結果も含め、『唐―東ユーラシアの大帝国』(中央公論新社)を執筆し、唐朝の通史を、編纂史料の他、石刻史料を用いて描き、従来の唐代史像を再構築した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2022年度は、当初の予定では、中国大陸のうち、四川、雲南、広東、広西などの残る碑文を調査し、唐朝の南方地域への「羈縻支配」の実像を再検討するものであった。しかしながら、中国政府による渡航禁止の影響が長引き、現地調査を実施することは不可能であったため、当初の計画は大きくとん挫することとなった。
その一方、日本国内で情報の得られた新出の墓誌を利用し、新たな知見も得ることができた。唐朝の支配下にあったソグド人の動向を浮かび上がらせたのである。以下、次項目でこの点を含めた対応策を述べる。

Strategy for Future Research Activity

2023年度は、中国における自由な調査は未だ望めないという前提に立ち、一部、研究計画を変更せざるを得ない。
一つは、研究期間を一年延ばし、中国調査を実施する計画を先送りすることである。ただし、この点、不透明さが残る。延長して調査が実行できない場合、唐朝南方地域における羈縻支配の実態調査の代わりに、現在、着手しつつある唐朝西方(現在の甘粛方面)からオルドス地域におけるエスニック集団に対する支配の実態解明を、墓誌を通じて分析する方向に転換する。

Causes of Carryover

2022年度の中国への渡航ができず。海外調査を見送ったため、余剰金が生じた。2023年度の最終年度の計画は国際研究集会もしくはシンポジウムを開催する予定であるが、23年度に再度、中国調査を計画し、こちらの実施を優先させる。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 唐代中後期のソグド系武人に関 する覚書2023

    • Author(s)
      森部豊
    • Journal Title

      『文書・出土・石刻史料が語るユーラシアの歴史と文化 』

      Volume: - Pages: 138-164

  • [Presentation] 唐の「羈縻」支配と契丹2023

    • Author(s)
      森部豊
    • Organizer
      シルクロード学研究会 2023 帝京大学文化財研究所
    • Invited
  • [Presentation] 唐代後半期のソグド系武人の系譜とその活動2022

    • Author(s)
      森部豊
    • Organizer
      2022年度 第1回KU-ORCAS 研究例会(第2回東西学術研究 所 研究例会)
  • [Book] 『文書・出土・石刻史料が語るユーラシアの歴史と文化 』2023

    • Author(s)
      森部豊(編著)
    • Total Pages
      164
    • Publisher
      関西大学東西学術研究所
    • ISBN
      978-4-910433-38-7
  • [Book] 唐―東ユーラシアの大帝国2023

    • Author(s)
      森部豊
    • Total Pages
      400
    • Publisher
      中央公論新社
    • ISBN
      978-4-12-102742-9

URL: 

Published: 2023-12-25  

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