2022 Fiscal Year Research-status Report
仏名経から見る中国仏教の歴史的展開に関する基礎的研究
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20K01030
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
山口 正晃 大手前大学, 国際日本学部, 教授 (60747947)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 仏教史 / 仏名経 / 敦煌 / トルファン / 目録 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、従前よりのコロナパンデミックおよびロシアによるウクライナ侵攻の影響に加えて、研究代表者の個人的な事情(家人が重篤な病気により長期入院)により、研究に割くことのできる時間が物理的に大きく制限されたため、当初予定していた作業内容はほとんど実施できなかった。但し、その中でも次の諸点については基礎的整理作業を行った。 1.日本国内に所蔵される敦煌・トルファン写本の仏名経のデータ整理 2.ロシアが所蔵する敦煌写本の仏名経のデータ整理(前年度から継続)
1については、具体的には杏雨書屋・京都国立博物館・大谷大学・国立国会図書館の各所蔵品の中から仏名経のデータを抽出して整理した。また、2020年3月に刊行された『濱田徳海旧蔵敦煌文書コレクション目録』にもとづき、濱田徳海旧蔵品(このうち一部は上記国立国会図書館に所蔵されている)についての仏名経のデータ整理にも着手した。 2については昨年度からの継続で、ロシア所蔵本の大型図版(上海古籍出版社、全17冊)のうち、第1冊から第10冊に関しては経名が同定されて出版されているものの、仏名経に関してはたとえば12巻本と16巻本と18・20巻本の『仏説仏名経』を区別していないなど、全面的に同定作業を見直す必要がある。さらに第11冊以降はそもそも経名を同定せず、各写真が無題のまま出版されているため、これらは一から同定する必要がある。以上の作業に関してはほぼ完了したものの、文字情報の少ない断片についてはまだ検討する余地が残っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度までと同様、コロナパンデミックおよびロシアによるウクライナ侵攻の影響により、海外に所蔵される敦煌・トルファン写本の現地調査は全く実施できなかった。また、上記「研究実施の概要」にも書いたように、個人的な事情があって平常とは全く異なる生活を余儀なくされ、そもそも物理的な時間を確保するのが極めて困難であったため、研究の実施に多大な影響が出た。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「個人的な事情」はいまだ継続しているものの状況は改善してきており、まずは国内に所蔵される敦煌・トルファン写本のデータ整理を中心に進める予定である。またコロナパンデミックによる出入国制限も大幅に緩和されてきているため、海外調査(ロシア以外)についても現地の状況を見極めながら調査再開を検討している。ただし、場合によっては研究実施期間の延長も視野に入れておく必要があると認識している。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、コロナパンデミックによる渡航制限およびロシアのウクライナ侵攻などの影響により海外調査は一切実施できなかった。また、個人的な事情によりそもそも研究を実施する物理的な時間が大きく制約されたため、予算を全て使用することができなかった。今年度は日本国内(静嘉堂文庫、群馬県立博物館)および中国(浙江省博物館)等での調査を予定している。
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