2020 Fiscal Year Research-status Report
イギリス帝国の住民支配と警察―19世紀~20世紀初頭の南アフリカ・ケープを中心に
Project/Area Number |
20K01037
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
堀内 隆行 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (90568346)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 警察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は下記の通り。 「イギリス帝国が住民の情報収集や管理・監視を徹底する上で、警察が重要な役割を担ったことはよく知られている。その起源は19~20世紀初頭の南アフリカにあり、そこでの実践を経て、類似のシステムが他の植民地や本国にも導入された。だが、この実践についての先行研究は、20世紀初頭に関心が偏り、南アフリカ最古の植民地であるケープの、19世紀以来の歴史を軽視している。そこで、本研究では当時のケープ警察を対象に、制度的変遷(令和2年度)、人種主義的特質や他地域への影響(令和3、4年度)を検討する。南アフリカ警察はアパルトヘイト期(20世紀後半)に抑圧者の印象を強めたが、本研究はその源流をたどり、南アフリカ国家の特異性も明らかにする。また本研究は、南アフリカが世界に与えた影響を政治とりわけ国家の側面から探り、経済・疫病・環境に偏りがちなグローバル・ヒストリーの問題点を克服する」。 当該年度は19~20世紀初頭ケープ警察の制度的変遷について、20年11月19日に全米アフリカ学会大会(オンライン)で報告、また南アフリカ警察の他地域への影響に関して、21年3月16日にシンポジウム「世界史における国家形成・地域形成」(金沢大学ボトムアップ型研究課題「国家・社会をめぐるコミュニケーションの諸相の歴史学的解明」)で展望した。さらに、『論点・西洋史学』(ミネルヴァ書房、20年4月)に「植民地と近代/西洋」、『史學雜誌』129巻5号(2020年5月)に「アフリカ(2019年の歴史学界―回顧と展望―)」を寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナのため、予定していたイギリスなどでの史料調査はおこなえなかった。また、オンライン開催となった全米アフリカ学会大会での報告はおこなえたが、ヨーロッパ都市史学会第15回大会は中止された。さらに、史料調査の未実施が影響し、英語論文も執筆できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの状況が改善しだい史料調査を再開したい。それまでは啓蒙書の執筆や二次文献の調査でしのぎたい。
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Causes of Carryover |
コロナのため海外史料調査や国際学会報告がおこなえなかった。状況が改善しだい再開したい。
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Research Products
(4 results)