2020 Fiscal Year Research-status Report
Transformation of Xenophobia in France at the end of the 19th century: Analysis of National and Local Elections in Paris Region
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20K01053
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
長井 伸仁 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10322190)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | フランス / 近代史 / 選挙 / 外国人 / パリ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
令和２年度は、1)関連する先行研究の調査、2)パリ警視庁文書館、フランス国立文書館での選挙関連文書の閲覧、の２つを進める計画であったが、感染症の拡大により1)のみ実施した。
19・20世紀転換期フランスのナショナリズムと、それにもとづく政治運動については、同時代の著述から今日の学術研究に至るまで、膨大な数の論考が積み上げられており、近年では極右勢力やポピュリズムを対象とする政治学・社会学の研究が背景や源流として言及することも多い。そうした政治運動の選挙での獲得票・議席や、既存の政治勢力との合従連衡は、国政だけでなく地方選挙レベルでも明らかになっており、パリではブーランジスムは1890年になっても投票総数の4分の1を集めていたこと、1900年の市議選と1902年の下院総選挙ではナショナリストが3分の1を超える議席を獲得していたことなどがわかっている。また、P.デルレードやM.ヴェルゴワンなど政治運動に深く関わった人物について詳細な伝記研究が公刊され、運動の実態も判明しつつある。
その一方で、これらの運動が地域社会にどのように根づいていたのか、あるいは、排外主義をめぐる地域社会の変容が政治運動や選挙にどのように反映されていたのかという観点からの研究は、いまだ少ないのが実情である。この時期に郊外形成が進むパリ地域については、1980年代以降、都市史の観点から研究が活発になされているが、ブーランジスムやナショナリズムと都市化との関連に焦点を合わせた研究はみられない。また、反外国人騒擾を取り上げた研究も現れているものの、選挙や政治との関連は副次的にしか扱われていない。これらのことは、本研究課題の意義を示すが、次年度以降に実施する一次史料の調査がきわめて重要になることをも意味している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
諸分野における関連研究は調査したものの、主要史料であるパリ警視庁文書館BA系列とフランス国立文書館F7系列の文書の閲覧はできず、進捗状況としては遅れていると言わざるを得ない。
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| Strategy for Future Research Activity |
推進方策は当初に予定していた通りであるが、文書館史料の調査を令和3年度の夏期に実施するなど、全体的に実施時期を遅らせる必要がある。現地での史料調査が困難である状況が続くようであれば、デジタル化が進んでいる新聞史料に重点を移すことも検討する。
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| Causes of Carryover |
（理由）令和２年度に実施する予定であった現地史料調査がおこなえなかったため。
（使用計画）令和３年夏以降に実施する。
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