2021 Fiscal Year Research-status Report
Global History of Nativism, Xenophobia and Racism in the United States
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20K01055
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
貴堂 嘉之 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (70262095)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レイシズム / 排外主義 / 移民 / 歴史教育 / アフリカ系アメリカ人 / ヘイトクライム / アジア系アメリカ人 / ゼノフォビア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、アメリカ合衆国の排外主義/レイシズムの生成・発展の歴史的過程を時間軸にそって、①南北戦争~再建期、②ポスト再建期(1877ー1890年頃)、③革新主義期(1890年代ー第一次世界大戦)、④戦間期(1920年代ー30年代)と区分して、各時代の排外主義/レイシズムの担い手、運動の政治的資源、運動の特徴を詳細に検討し、その時代区分ごとに、黒人差別、移民差別、科学・思想史的差別がどのように統合されていくのかを検証することである。研究計画二年目の2021年度は、21世紀においてなお猛威を振るうアメリカ社会の排外主義/レイシズムの生成・発展の歴史的過程とその特質を、南北戦争後の戦後処理の時代(再建期)が終わったあとの、ポスト再建期(1877ー1890年頃)の時期を中心に検証を行った。この時代については、基礎的な文献が収集済であったが、2010年以降に刊行された最新の研究書を収集し、デジタル・アーカイブとして海外からもアクセス可能な史資料を中心に調査を行った。当初予定していた米国の議会図書館、国立公文書館での史料調査は実施することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】に書いたとおり、当初予定していた米国の議会図書館や国立公文書館での史料調査は実施することができなかったが、これまでに収集してきた基礎文献や新たに購入した最新の研究書などをもとに、研究に取り組むことができた。レイシズムを主要テーマにした共同研究の論集を2022度刊行できることにもなり、おおむね研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画3年目の2022(令和4)年度は、③革新主義期(1890年代ー第一次世界大戦)の社会史的考察と歴史教育分析を実施するつもりである。海外調査は、新型コロナウィルスの感染状況をみながら、米国渡航が許される状況になれば、ワシントンの議会図書館、国立公文書館に加え、南部アトランタのジョージア大学や地方公文書館を訪れて、南部社会で使われていた歴史教科書の収集、奴隷制関連史跡を数カ所訪問する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた米国での長期の史料調査が、新型コロナウィルス感染拡大により実施不可能となったため、次年度に繰り越すこととしたため。
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