2020 Fiscal Year Research-status Report
骨角製装身具類の包括的検討からみた縄文から弥生への時代変遷の解明
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20K01080
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
川添 和暁 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (40869202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 芳郎 明治大学, 文学部, 専任教授 (10221730)
樋泉 岳二 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (20237035)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 縄文時代晩期 / 弥生時代中期 / 鹿角製装身具類(腰飾りなど) / 貝輪 / 牙製垂飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度の研究計画は、基礎資料集成の素案作成を目標とし、合わせて各地への資料調査の実施であった。基礎資料集成の素案に関しては、研究代表者がこれまで把握している資料をもとに、全国で刊行されている概報を含む発掘調査報告書、論文を参考にしながら、各都道府県別に遺漏の有無を確認する作業を実施した。これにより、縄文時代・弥生時代の骨角製装身具類についてより詳細な情報を把握することができ、当初の目的を達成することができた。 各地への資料調査は、新型コロナウイルス感染拡大状況によって、研究代表者および研究分担者・協力者のすべてにおいて実施が大いに制限される状況となった。研究代表者に関していえば、県外への調査件数が当初計画していた2分の1以下となってしまい、その代わり、清須市など朝日遺跡、刈谷市本刈谷貝塚や西尾市枯木宮貝塚など、愛知県内の資料調査を中心に進めることとなった。研究状況としては決して順調とは言えず、特に県外の未実施の調査分は、令和3年度以降に見送らざるを得なかった。 しかしながら、今年度の成果を受けて、秋田県能代市柏子所貝塚および山形県東根市蟹沢遺跡という、いずれも東北地域の縄文時代晩期の事例について、論文や概報にまとめることができた。いずれも日本海側の遺跡の事例であり、資料の希少性もさることながら、資料の独自性・地域性に加えて他地域との広域関係が認められることから、本研究上、大きな鍵となる資料である。今後の成果公表を行う上で、起点となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施上、最大の障害となっているのは、新型コロナウイルス感染拡大状況である。本研究の基盤は、実資料の調査・分析にある。資料の実見には、各大学・各自治体など、調査主体および所蔵機関に赴く必要がある。そのため、特に県外の資料調査は当初予定の2分の1以下しか実施できなかった。これは、出張出発地と調査地の両者が問題ない状況とならないといけないことによる。このような状況下、実施可能となる研究は極めて限定的とならざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大状況がすぐに改善される状況にないなか、特に県外の資料調査については、状況が落ち着き次第、すぐに実施できるように諸準備を滞りなくしておく。改善期間が一次的で短く、かつ断続的になることも想定される。 一方、研究分担者との打ち合わせなどについては、メールやオンラインによる開催を主とせざるを得ない。 また、令和3年度以降、各成果の中間報告の実施を計画している。当初は対面による研究会を計画していたものの、当初計画通りには実施は難しい状況にある。これに関しても、オンラインによる開催、あるいは簡易な紙媒体による発信など、別の形も視野に入れて実施をしていく。
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Causes of Carryover |
前年度、新型コロナウイルス感染拡大状況によって実施できなかった資料調査分を、今年度実施に見送ったことによる。当初は一ヶ月に1回程度の調査を計画したところであるが、状況を見て実施回数を増やすことを計画している。二ヶ月に3回程度の実施を目処としたいが、感染拡大状況を見ての実施判断となる。
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