2023 Fiscal Year Research-status Report
Transformation process of Yayoi society viewed from the technical deployment of the weapon type stone tool
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20K01081
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
上峯 篤史 南山大学, 人文学部, 准教授 (70609536)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 弥生石器 / 打製石剣 / サヌカイト / 弥生社会 / 下呂石 / 縄文石器 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下の3項目の研究に取り組んだ。 研究項目①:ポータブル型蛍光X線分析装置による石器石材原産地推定法の確立_異地性石材の原産地を化学組成分析によって調べる方法は、すでにひろく普及しているが、装置間の互換性が乏しいことや分析者ごとにリファレンスデータが必要であること、組成データにつきまとう統計的課題の回避策が講じられていないなど、方法的な課題を抱えていた。これらの解消と、ポータブル型装置による原産地推定法を模索した。研究の途中経過を日本文化財科学会にてポスター発表し、最終的な成果を『旧石器考古学』に投稿した。これによって、原理的には日本~朝鮮半島で出土した黒曜岩であれば、ポータブル型装置による原産地推定が可能となった。 研究項目②:湯ヶ峰遺跡群の発掘調査_2020年度から着手した岐阜県湯ヶ峰(下呂石原産地)の研究について、2023年度も、遺跡分布調査、地形・地質調査、発掘調査を継続した。新たに火山地質学者をチームに加え、湯ヶ峰の地形・地質調査を進め、下呂石の岩相の多様性と、火山地質との関係について予察的な成果を得た。この成果は査読つき学術誌に投稿中である。発掘調査においては、昨年度に試掘調査した「湯の平」地点の本調査を開始した。良好な黒ボク土層中から、多数の下呂石製剥片や石核が出土した。本研究課題に関わる資料として、現在、整理作業を進めている。 研究項目③:石器群の構造変動史の素描_縄文石器や弥生石器は、相互に、そして旧石器とどのように異なるのか。いかに定義できるのか。相互にはどのように関連しているのか。これは本研究の中核的な問いである。石器製品の変遷のみならず、石器製作を可能にする技術構造の観点から、旧石器から縄文石器、そして弥生石器への変動史を論じた。あわせて、縄文時代晩期の石器群について詳細な分析を試み、弥生化にむかう地域社会の様相を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室内作業の推進と岐阜県下呂市湯ヶ峰における現地調査の実施、学外研究機関所蔵遺物の調査によって、2023年度の研究目的を概ね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の3項目の研究を推進する。 研究項目①に関して、近畿地方や東海地方を主な対象に、異地性石材の原産地推定結果を蓄積する。 研究項目②に関して、「湯の平」遺跡の石器解析と、年代決定を目的とした分析に取り組む。 研究項目③に関して、引き続き、関連資料の資料化に取り組む。 以上の研究とともに、本研究の総括を進める計画である。
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