2023 Fiscal Year Annual Research Report
中央アナトリアにおける銅石器~前期青銅器時代の文化動態
Project/Area Number |
20K01097
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
紺谷 亮一 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (50441473)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キュルテペ遺跡 / ジグザグプラン / 公共大建築址 / 中央アナトリア / 都市起源 / フルーツスタンド / 前4千年紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
キュルテペ遺跡中央トレンチの発掘で大きな進展があった。当トレンチは約4000年前のワルシャマ宮殿直下であり、ジグザグプランの大建築址が確認されている。当該建築址は、放射性年代測定法により、BC3300年頃の年代を得ている。当該年度では、当該建築址が西側に延びている事、ジグザグ建築址ROOM1の入り口と、これに伴うコリドールを発見した。これらのことから当該建築址がかなり規格化されたものであることが判明した。まさに我々が目指してきた「都市形成の起源」を考える上で「建築の規格化」は非常に重要であると考えられる。 また、出土遺物として注目されるのは、所謂「フルーツスタンド」と呼ばれる大型の高杯形土器である。当該土器はアメリカ隊によるアリシャル遺跡発掘成果において、銅石器時代の指標とされているものである。これに類似した土器を多数、発見することができた。これは、キュルテペ遺跡の起源を考える上で重要である。 さらに、当該建築下、(地表下)約6-7mまで深堀りした所、不定形な建築址を確認した。土器も上層とは異なり、赤色土器が大半を占める。放射性炭素年代測定の結果、BC3900年頃の値が出ており、キュルテペの起源はさらに年代的に前4千年紀を遡る可能性もある。 従来より、我々が主張しているのは、中央アナトリアの都市起源がメソポタミアにおける都市形成要因とは異なるというものである。今後、その要因を発掘調査と共に、多角的には探っていきたい。
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