2021 Fiscal Year Research-status Report
Creating teaching resources for school libraries which promote understanding of social role of museums and curators
Project/Area Number |
20K01124
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
井上 由佳 明治大学, 文学部, 専任准教授 (90469594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒見 和夫 明治大学, 文学部, 専任教授 (20225577)
梨本 加菜 (久保内加菜) 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (60389880)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 博物館 / ミュージアム / 学校図書館 / 学校司書 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2つの研究プロジェクトを遂行することができた。一つ目が小学校教科書の記述調査であり、国語、社会、理科、生活、道徳、音楽、図工、英語の中から、全国ならびに関東甲信越地方の教育委員会で多く採択されている教科書を抽出して実施した。 教科書本文の記述や写真、奥付の中で博物館と学芸員というキーワードの記載状況について調査を行った。その結果、科学館等の扱いが想定される理科や歴史系博物館の登場する社会科以外の教科書の中でも、博物館等の記述があることが明らかとなった。例えば、生活科の町を探検する単元で博物館が登場したり、英語のMuseumやZooという言葉を教えるために登場するといったものが見受けられた。想定外の科目でも記載が見られたことは新しい発見であった。次年度は、このデータを精査して整理し、データベース化することで、教員や学校司書に役立てられる形にしていきたい。 二つ目が小学校における学校図書館を活用した授業実践を行った。一つは、東京都杉並区立沓掛小学校で科学館見学前の出前授業を実施した。対象となった6年生の担任、学芸員と学校司書、そして研究者が内容を話し合いながら決め、実施に至った。小学校の区内から校外の関係者が多数見学され、画期的な試みであると評価を受けた。このような実践がミュージアム見学の前に実施されることで、子どもたちの見学への動機付けができること、学校図書館と連携することで外部のスピーカーが去った後も情報へのアクセスが可能となることから、継続的な関わりを持てるといった連携のメリットとして明らかとなった。今年度も授業内容は変わる予定であるが、同様の実践を実施していきたい。また、新潟市内の小学校でも、「図書の時間」を活用した「図書館スペシャル」という授業の中で美術館や水族館を紹介する実践が展開された。これらの実践を振り返りつつ、さらに発展させていきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はコロナ対応ゆえ、研究を進めることが極めて困難であったが、今年度は順調に調査等を進めることができた。ミーティングなどもすべてオンラインで開催してきた。また日本児童学会で発表ができたことも研究を整理するうえで役に立った。
|
Strategy for Future Research Activity |
小学校の教科書調査については、入力されたデータの精査と整理、画像データの確認と整理を行い、そのデータから何が読み取れるのかを議論していきたい。さらにデータベース等の形で公開できるように考えていきたい。 小学校における実践については、科学館を対象としたものが実施できたので、他の館種についても対象を広げていく予定である。 今年度は複数の学会で発表を予定であり、そこでの反応を踏まえてさらに計画を詰めていきたい。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染症対策で国内外の出張が大学および学校から自粛を求められたため、出張予算をほとんど使うことができなかったため。 自粛や規制が解除され次第、学校発表や調査で出張を計画する予定である。
|
Research Products
(2 results)