2021 Fiscal Year Research-status Report
Development, Implement and Evaluation of New Exhibition Design for Rich Museum Experiences and Parent-Infant Communication
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20K01132
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
石浜 佐栄子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (60416047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 ゆき 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70342946)
大坪 奏 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 非常勤学芸員 (40598041)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 博物館 / 親子 / コミュニケーション / 非言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
通常の博物館においては、大人を対象に展示が構成されているが、近年、特に自然史博物館では幼児の来館者数が著しく増加し、その対応・解決が重要課題の一つとなっている。子ども向けの体験型展示やデジタルデバイスによる展示支援システムなどは一定の効果を上げているものの、文章に馴染みの薄い幼い子どもにはうまく対応できていない。そこで本研究では、幼児~小学校低学年の子どもと、ガイド役となり得る保護者のセット(親子)に対し、どのような手法を用いればより豊かな博物館体験を提供できるのか明らかにすることを目的として、親子の会話を誘発する、言語に頼らない展示や解説手法を開発・実践・評価し、博物館活動の新たな展開を試みている。 令和2年度は新型コロナウィルス感染症拡大のため、まずはウェブサイトを通した親子向けの発信として、自宅で親子で楽しめる博物館オリジナルコンテンツ(動物の塗り絵・動物の生態を紹介する紙芝居風の動画・手作り双六など)を作成・公開した。また、企画展内にやさしい一言ポップを追加して展示内容の補完を行い、声に出して読んでくれる子どももあらわれるなど好評を得た。 令和3年度は、セルフデバイスを利用することで非接触で回答を得られるクイズを特別展示室に設置して来館者の様子を観察したり、きのこ先生と子どもの会話によって展開する展示を製作するなど、親子のコミュニケーションを促進し博物館体験を豊かにするための試行を更に深めることができた。また動物園、科学館、植物園、美術館などを視察し、幼児童と保護者のための工夫事例について調査を実施した。これまでの研究成果については第29回全国科学博物館協議会研究発表大会において発表しており、他の博物館関係者とも知見を共有して議論を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の拡大による影響で、遠方にある他館への視察や、入館者へのアンケート調査などがなかなか実施できなかった。その代わり、令和4年度以降に予定していた研究内容を一部先取りして実施した。 (1)『幼児童向け取組事例の調査と評価』については、移動制限などの影響により、思うように実施できなかったため、令和4年度以降に繰り越して実施する。 (2)『「親子」に対する博物館ニーズ調査』については、対面でのアンケート等の実施が新型コロナウィルス感染症対策の関係で難しくなっていることから、方法の変更等も含めて検討・実施する。 (3)『新しい展示デザインの検討、開発と実践』については予定通り実施し、令和4年度に予定していた成果発表も一部先取りして実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 幼児童向け取組事例の調査と評価 令和3年度に引き続き、全国の博物館や美術館、科学館等において実施されている「幼児童」向けの取り組みについて詳しく聞き取り調査し、“豊かな博物館体験の提供”という観点から評価を行う。新型コロナウィルス感染症によるまん延防止等重点措置が発令された場合は、無理のない範囲で実施する。 (2)「親子」に対する博物館ニーズ調査 対象となる「親子」の博物館に対するニーズについて調査を行い、展示企画者側の意図と、どのようにすり合わせられるかを検討する。新型コロナウィルス感染症拡大による新しい生活様式の普及も念頭に、実際に博物館に足を運んでもらうということだけに固執せず、調査方法の変更等も含めて検討・実施する。 (3) 「親子」の会話を誘発する新しい展示デザインの検討、開発と実践 「幼児童」にも理解しやすい絵、マーク、音声や画像、映像、五感を使った体験等を用いた、言語に頼らない新たな展示や解説の手法(展示デザイン)について検討し、開発・実践・評価を行う。親子の展示への関わりを補助するための素材の製作や、素材の提供方法に関する調査についても実施する。「親子」のコミュニケーションを誘発して共有体験ができる展示デザインの提供を通して、豊かで印象深い博物館体験へとつなげる。
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Causes of Carryover |
(理由) 新型コロナウィルス感染症の拡大による影響で、入館者へのアンケート調査や、他館への視察などがほとんど実施できず、そのため次年度使用額が生じた。 (使用計画) 新型コロナウィルス感染症によるまん延防止等重点措置の発令などにも配慮しつつ、令和4年度以降に繰り越して研究を行う。
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