2023 Fiscal Year Research-status Report
A climatological study on monsoon onset over the Indonesian maritime continent
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20K01145
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
濱田 純一 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 客員准教授 (50359212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 修一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究センター), 調査役 (00344309)
井上 知栄 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (80466664)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 海大陸 / モンスーン / 気候システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、インドネシア海大陸域のモンスーン季節進行に伴う雨季の地理的分布・変動の気候学的特徴について、季節内変動または日変化を解像できる高時間・空間分解能の統合的な海大陸域気象観測データセットを構築し、明らかにすることを目的としている。その上で、気候変動の影響が強く表れると考えられる、乾季と雨季の遷移期(モンスーンオンセット期)に焦点を当て、モンスーンのオンセットや、雨季の入りの経年変動の実態把握を行うとともに、マッデン・ジュリアン振動(MJO)が海大陸域の大規模島嶼周辺の局地循環に伴う対流日変化と相互作用し、モンスーンオンセットに与える影響評価を通して、海大陸域のモンスーンオンセットメカニズムの解明を目指す。
昨年度に引き続き、研究対象地域のインドネシアへの訪問を実施できず、現地でのデータ収集を十分に行えなかったため、これまでに入手済の現地気象局による日地上気象観測データを中心に、取得データの整理・品質管理を実施し、海大陸域のモンスーン季節進行の解析に必要な「海大陸域長期日気象観測データセット」の構築を進めた。その上で、海大陸域のモンスーン季節進行、及びモンスーンオンセットの経年変動について、気候学的な解析を進めた。また、取得済のワシントン大学による全球落雷観測網(WWLLN: World Wide Lightning Location Network)データを基に、海大陸域における雷活動(積雲対流活動)や降水特性の季節進行について、並行して解析を進めた。また、ジャカルタ首都圏の降水特性の季節内変動、及び日変化の地域性について、昨年度までに得られた結果(Lestari et al, 2022, Mon. Wea. Rev. 他)を発展させ、モンスーンオンセットに与えるMJOと大規模島嶼周辺の局地循環との相互作用の影響評価を実施するため、現地気象レーダー観測データセットの構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象地域であるインドネシアへの直接訪問を実施できず、気象観測資料の収集、及びデータベース化が、当初計画ほど進捗できなかったため(入手済のデータ整理や、解析作業を主に実施することで対応)。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに引き続き、気象観測データセットの構築を進め、海大陸域のモンスーン降水季節変化、及びモンスーンオンセットの経年変動に関する気候学的解析を実施する。その上で、課題最終年度として、海大陸域のモンスーンオンセットメカニズムについて、研究成果を取りまとめるとともに、今後の研究計画立案に向け、現地研究協力者との議論を進める。
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Causes of Carryover |
当初、研究対象地域のインドネシアへ出張し、現地研究協力者との研究打合せや、データ収集作業を予定していたが、現地出張を実現できなかったため(旅費の未使用)。課題最終年度となる次年度においては、研究成果のとりまとめを重点的に行うとともに、今後の研究計画の立案を進める(その他、旅費、物品費)。
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