2020 Fiscal Year Research-status Report
アイトラッキングを用いた熟練研究者の地形判読プロセスの可視化と地形判読教材開発
Project/Area Number |
20K01146
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
佐藤 剛 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (00468406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 誇 愛媛大学, 農学研究科, 助教 (90758559)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アイトラッキング / 地形判読 / 地すべり / 活断層 / テキストマイニング / 技術の伝承 |
Outline of Annual Research Achievements |
地すべり地形分布図や活断層図は,わが国の防災を考えるうえで必須の学術資料である.しかしながら,これらの図を作成してきた熟練研究者の高齢化が進むとともに,地形判読を得意とする若手研究者の減少も進んでいる.高度な判読技術を効率的に後進に伝える教材の作成が求められている.本研究は,これまで地形学で扱われることのなかった生体計測技術のひとつであるアイトラッキング(視線計測)とアスキングにより,熟練研究者が地形判読を行う過程で地形の“なに”をみて“どのように考えているのか”解析し言語化する.そして,蓄積された知見をもとに熟練研究者の判読プロセスを追跡する地形判読教材を開発することを目的としている.一方で,本研究は新型コロナウイルの感染拡大の影響を受け,アイトラッキングを実施することは困難な状況にあった.そこで本年度は事前に実施した熟練研究者と非熟練判読者によるアイトラッキングとアスキング時の発話内容を文字化(単語化)し,テキストマイニングソフトウェアを用いて個々の単語の共起性を解析することで,熟練判読者による地形判読のポイントを明らかにすることを試みた.この結果,非熟練判読者は発話回数が少なく,また使用する用語が散漫なことから共起度をもつネットワーク図が描写されないこと,一方で熟練判読者の共起ネットワーク図は非熟練判読者のそれと比較し強い共起度をもっていることが示された.また,熟練判読者自身の経験から地形判読の着眼点が特定化できており,その着眼点を中心に「よく分からない」と呟きながらも様々な仮説を考え,判読していることが読み取れた.この成果は,日本地理学会等の学術大会で発表した.この他,次年度以降に実施するアイトラッキングの対象地(長野県北部)の地形判読と現地調査を実施した.その結果は学術誌に投稿され,次年度中には公表される予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地形判読者の視線追跡データを収集し,判読プロセスを可視化する本研究には,アイトラッキングを用いたデータ収集が必要不可欠である.しかしながら「研究実績の概要」で記載したように,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け,熟練判読者を対象としたアイトラッキングの実施はできない状況にある.そこで,地すべり防災を専門とする熟練判読者と非熟練判読者による地すべり地形判読プロセスをアイトラッキングで記録した既存データと,判読過程で発話されたデータをもとにテキストマイニングを行った.また,次年度以降の研究の準備として,アイトラッキングを用いた地形判読対象地の地形判読サンプルを事前に作成するとともに現地における地形・地質調査を実施した.この結果からは調査地対象地における地すべり地形発達プロセスも復元された.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度あるいは2022年度になれば,新型コロナウイルス感染症の感染が終息に向かうことが期待される.そのなかで感染には十分注意しつつアイトラッキングを用いた熟練判読者の地形判読プロセスの記録を実施したい.予算との兼ね合いになるが,オンラインを通じてアイトラキングを実施する方策についても検討したい.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により熟練判読者を対象としたアイトラッキングの実施はできない状況にある.感染状況が落ち着いた段階で,アイトラッキングを実施する.
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Research Products
(2 results)