2023 Fiscal Year Annual Research Report
Children's activity space creation with keeping the school districts safety in Japan
Project/Area Number |
20K01155
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大西 宏治 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (10324443)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 登校 / 下校 / 位置情報 / 児童 / 活動空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,1)GPSで小学生児童の通学時の位置情報を取得し,通学路の物理的・社会的環境を空間的視点から可視化し分析すること,2)通学路の空間の質と量が児童の屋外での活動空間へ与える影響を明らかにすることである。調査方法は,GPSを用いた行動軌跡の分析と児童に対する屋外活動についての調査を実施する。 2023年度の実績は、今年度は富山市内9の小学校について、登下校の児童の位置情報のデータを活用し、児童の登下校の特色を分析した。今回調査した地域の中に、小学校の統合により通学域が大きく変化した小学校(三成小学校)があり、統合前後の登下校の比較も実施した。その結果、統合により旧小学校の敷地に集合してバスにより登下校する形態であること、バスの乗車時間は5分程度であることから、歩行の距離や時間などは大きく変わらなかった。 学校区の特色により、登下校のパターンが異なることを指摘できる。その差異の発生要因として、(A)土地利用のパターン、(B)中心市街地との距離、(C)児童密度の地域間の差異で説明できる可能性がある。A)富山市中心部からの距離、(B)新興住宅地の立地などで説明ができる。(B)については、中心部には多様な習い事などが存在し、中心部の近隣の学校区の場合、帰宅後に次の活動を開始できるが、市街地の縁辺地域の学校区の場合、送迎が伴う活動になり、下校後の活動空間が多様となる。さらに遠方では遠い地域への習い事を選択する機会が減少し、多様な活動が減少すると考えられる。また、(C)については、新興住宅地は中心部の縁辺に隣接して位置することが富山市では多い。新興住宅地では共働き世帯も多く、学童保育のニーズが高い。学校区内で就業時間内の保育をまかなえない場合、学校区外へ学校から直接移動して学童保育を利用することから、今回把握された児童の流動を理解することができる。
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Research Products
(3 results)