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2020 Fiscal Year Research-status Report

教科教育と教科専門の協働による地理を基盤とした初等社会科内容構成の研究

Research Project

Project/Area Number 20K01157
Research InstitutionBunkyo University

Principal Investigator

伊藤 裕康  文教大学, 教育学部, 教授 (70279074)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊藤 貴啓  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10223158)
佐藤 浩樹  神戸女子大学, 文学部, 教授 (10709348)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords教科内容 / 教科教育 / 社会科教育 / 社会科内容構成 / 教科内容の批判的検討能力
Outline of Annual Research Achievements

リフレクションを基礎にした養成や研修の傾向が強まり,教科内容が看過されがちである。リフレクションを重ねても,浅い教科内容理解なら,子どもが深く学ぶことは難しい。また,教科専門の在り方が問われ,教科内容学構築が求められる。本研究は,教科教育教員と教科専門教員とが協働し,教科内容を構成する稀な試みから,子どもの深い学びを育む初等社会科教員養成の「教科内容」を明らかにすることを最終目的とする。2020年度の研究実績は以下の通り。
1.日本社会科教育学会公開シンポジウム「社会科教育学と教師教育論」(2019.7.7,早稲大学)での渡部竜也氏の発表「教科内容構成学の理論的根拠を問う-教師の授業に大きな影響を与えるのは本当に教科内容なのか-」は,教科教育教員と教科専門教員とが協働する試み自体を否定するものだった。そこで,渡部発表への批判的考察結果を,日本教科内容学会第7回大会(2020.8.7,山梨大学,紙面発表)にて発表した.
2.1を踏まえ,①統合型カリキュラムを軸とした総合社会科としての在り方,②社会科教師のカリキュラム作りの必要性,③学問的内容に深く依存する性質を持つPCKによる教師の質的保証可能な教師教育カリキュラムの不可能性,④授業理論を学生や教師達に教えることの有効性が,渡部言説の賛同点であることを明らかにした(伊藤裕2020)。一方,教科内容の批判的検討能力育成の観点や地理教育の目的(その地域の諸条件を踏まえた未来予測から地域の実態に見合った地理的・合理的意思決定をさせ,持続可能な地域づくりに参画できる力の基礎を培う)から,「展開を左右するのは教育内容というより,授業理論である」という氏の言説に疑義を呈した(伊藤裕2021)。さらに,広領域教科の社会科なるが故に,「あえて教科内容専門と教科教育学者とが連携する必要性がない」という氏の言説も疑義を呈した(伊藤裕2021)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度は、力ある社会科教員への聞き取りと初等社会科専門科目のシラバス及び小学校社会科教科書分析の準備を進めた上で、分析を進める予定でいた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大により,計画していた聴き取り調査自体が困難となった。さらに,研究活動だけでなく教育活動にもその影響は及び,オンライン授業への対応等,新たな業務への様々な対応に迫られ、初等社会科専門科目のシラバス及び小学校社会科教科書分析を進め、学修するようになっている教科内容を抽出する作業にも影響を与え、計画を大幅に変更せざるを得なくなった。
そこで,2020年度は,2021年度から初等社会科専門科目のシラバス及び小学校社会科教科書の分析に着手可能なように,関連資料の収集に努めるとともに,初等社会科内容構成に係わる基礎的な研究を進めた。

Strategy for Future Research Activity

コロナ感染状況を見極めながら,2020年度実施出来なかった力ある社会科教員への聞き取りを極力進めていく。さらに,初等社会科専門科目のシラバス及び小学校社会科教科書分析を鋭意進める。研究成果は,社会科教育関係等の学会で発表し,成果と課題を明らかにしていく。具体的には,以下の通りである。
1.メンバーが持つ人的資源を活かし,教科内容に理解がある反省的実践者の観点から聞き取り対象者を選び,半構造化インタビューを実施し,インタビュー記録を作成する。コロナ感染状況によりインタビューが十分に出来ない場合は,適宜,聞き取り対象者の実践記録等を収集して検討し,力量形成に係わる要素の抽出を進める。その後,十分なインタビューが可能となったならば,先の抽出した力量形成に係わる要素の再検討を行う。
2.2020年度に進めた初等社会科専門科目のシラバス収集を継続するとともに,教員養成大学・学部の初等社会科専門科目関係のテキストを収集し,収集したシラバス及びテキストを全員で分析し,学修するようになっている教科内容を抽出する。

Causes of Carryover

(理由)次年度使用額が生じた主な理由は,新型コロナウィルス感染拡大により,計画していた聴き取り調査自体が困難となり,そのために計上していた旅費等の聴き取り調査に係わる経費の支出がなくなったことである。この他,新型コロナウィルス感染拡大により,オンライン授業への対応等,新たな業務への様々な対応に迫られ,初等社会科専門科目のシラバス及び小学校社会科教科書分析と学修するようになっている教科内容を抽出する作業にも影響が出て,物品費も十分には使用出来なかった。
(使用計画)2020年度に生じた次年度使用額は,2021年度予算の助成金と合わせて,新型コロナウィルス感染拡大の状況を見極めながら,力ある社会科教員への聞き取り調査を極力進めて(研究資料収集旅費,謝金),インタビュー記録を作成していく(人件費・謝金)。さらに,2020年度以上に初等社会科専門科目のシラバス及びテキストを収集し,必要ならテキスト著者や活用する授業者への聞き取りも行なっていく(研究旅費)。収集したシラバス及びテキストを全員で分析し,学修する教科内容を抽出する(通信費,打ち合わせ旅費)。それらの研究成果を社会科教育関係学会等で発表し,研究の方向性を確認する(その他)。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 社会科内容構成に関する若干の考察(2)2021

    • Author(s)
      伊藤裕康
    • Journal Title

      教育研究ジャーナル

      Volume: 13-2 Pages: 19-24

  • [Journal Article] 社会科内容構成に関する若干の考察(1)2020

    • Author(s)
      伊藤裕康
    • Journal Title

      教育研究ジャーナル

      Volume: 13-1 Pages: 17-21

  • [Presentation] 社会科内容構成に関する若干の考察ー渡部発表の批判的考察-2020

    • Author(s)
      伊藤裕康
    • Organizer
      日本教科内容学会第7回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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