2023 Fiscal Year Research-status Report
Sustainability of land use for deceased in East Asian metropolitan areas
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20K01159
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
土居 晴洋 大分大学, 教育学部, 教授 (40197992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南埜 猛 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (20273815) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 東アジア / 土地資源 / 文化 / 価値観 / 政策 / SDGs |
Outline of Annual Research Achievements |
国内・国外出張の制約が緩和されたことから,日本および台湾において資料収集および現地調査を実施するとともに,中国に関しても資料の分析を進めた。具体的な研究の進展は次の3点に要約される。 (1)日本の近代期の墓地整備に関する資料収集を,国会図書館や市政専門図書館(いずれも東京都)で実施した。また,東京における大正期と現在の墓地の立地の地図データ化を行った。都内豊島区と港区において,新旧地形図を比較対照しながら,墓地の立地に関する土地利用調査を行った。これらにより明治期における墓地を含む葬送政策の変遷と東京における墓地立地の変化の概要を把握した。 (2)中国に関しては渡航の困難性などから,現地調査は実施しなかったものの,これまでに収集した資料の整理を行うとともに,広州市における旧版地図を用いた20世紀前半と現在の墓地の分布立地の特徴についてGISを用いて分析した。広州市では火葬が進められるとともに,郊外地域における大規模な公墓の開発が進められたことが明らかとなった。 (3)台湾に関しては,台湾の葬送文化や殯葬産業の発展過程を理解するために,国家図書館 (台北市)で『臺彎殯葬史』などの書籍資料を複写した。また台北市において新旧地形図を比較対照しながら,20世紀前半の墓地と現在の公墓の土地利用調査を実施した。これらの成果を踏まえて,台湾島全域と台北都市圏について,両時点の墓地の分布と変化,それら立地の特徴などについて,GISを用いて分析を進めた。台北市では墓地は20世紀前半には市街地に隣接していたが,それらが市街化され,郊外の斜面地を中心に公墓が開発されていた。 これらの研究成果を2023年12月と2024年3月に学会において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内・国外出張が可能となり,日本と台湾においては現地調査を実施した。しかし,中国における行政機関等への聞き取り調査は依然として難しい。また,20世紀前半と現在の墓地の立地変化に関してGISを用いて分析を行っているが,東京について分析対象地域のうち,一部地域のデータ作成が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度までに国内外で収集した文献・統計等資料のうち,これまで十分に分析が進められていなかった資料について考察を深める。また,遅れている東京の墓地立地の変化に関する地図データ作成を進め,既存データと統合しGISを用いることで,墓地の立地環境とその変化について分析を進める。なお,その変化の要因を考察するために,行政機関の管理部局や日本では宗教法人等への聞き取り調査を予定している。 本科研の研究目的に対する研究の成果の大きな枠組みは,既に学会(日本地理学会,2024年3月19日)において報告を行っているが,令和6年度に実施する上記活動もあわせて総括する。その成果は本年度中に学会誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
本研究課題においては,単に統計データの分析やGISを用いた時空間分析だけでは研究目的を達成することは困難である。3都市(東京,台北市,広州市)それぞれの葬送に関する文化や価値観,政策的な対応などとの関連を考察することが重要であり,そのような資料や情報を得るためには,現地調査が不可欠である。 国内・国外出張の制約は緩和されたものの,中国では行政機関等への調査が実質的に困難であったことや,台湾や日本では具体的な聞き取り調査対象を選定するための考察に遅れが生じていたことが,現地調査実施の不足につながり,旅費等が余剰した。 中国・台湾にあっては,現地調査のための準備を行ったうえで,資料収集や行政機関等への聞き取り調査を実施する。国内にあっては,東京都市圏の大正期と現在の墓地の空間的広がりを現地観察によって確認するとともに,関係者・関係機関への聞き取り調査を進める。次年度使用額の多くは,これら現地調査のための旅費や資料購入費などに当てる予定である。
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