2020 Fiscal Year Research-status Report
現代日本のボランタリー組織の空間的特徴：都市・社会・政治経済の変化に着目して
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20K01172
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
前田 洋介 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (10646699)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | ボランタリー組織 / NPO / 都市構造 / 家族 / 緊縮財政 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，成熟期を迎えつつある，現代日本におけるNPOやボランティア団体をはじめとするボランタリー組織の空間的特徴について，高層マンションの増加をはじめとする都市の変化，ジェンダー役割や家族の在り方といった社会の変化，そして緊縮財政（austerity）の常態化といった政治経済の変化に着目して検討するものである．
本年度は主として，①ボランタリー組織及び周辺環境（都市・社会・政治経済）に関する研究動向の整理・分析，②ボランタリー組織の空間的特徴の定量分析のためのデータ整理，③ボランタリー組織が特定の地域に立地する背景や存立する基盤に関する予備調査を行った．①については，2010年代以降の研究を中心に文献を広く渉猟の上，整理し，中間支援組織や地方圏の状況をより丁寧に分析していくことの必要性を確認した．②については，当初の予定通り，内閣府のホームページ等を通じて組織の住所や活動分野，設立年，各年の事業報告書といった情報が入手できる，NPO法人（特定非営利活動法人）を主たる分析対象とすることにし，分析のためにデータの整理や集計作業を行なった．当初は本年度中に，集計したデータの分析にも取り掛かる予定であったが，新型コロナ・ウィルス感染症の影響により，データの本格的な整理・集計の開始が夏休み以降となったため，分析は次年度に行うこととなった．③については，新潟県内のまちづくり分野のボランタリー組織に関する資料や情報を収集し，活動の展開を整理した．当初は，国内の複数の地域で予備調査を実施する予定だったが，同感染症の状況を考慮し，対象地域・分野を限定して調査を実施した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」において，本年度の実績として①・②・③を挙げたが，①については概ね当初の予定通り進めることができた．②については，「研究実績の概要」でも記したように，当初は本年度中に集計したデータの分析を開始する計画であったが，新型コロナ・ウィルス感染症の影響により，データの本格的な整理・集計の開始が夏休み以降となったため，分析は次年度に開始することとなった．また，③については，同感染症の影響により，新潟県外で予定していた予備調査を実施することができなった．以上のように研究に遅れがみられたが，定量データの整理・集計・分析を効率的に実施する体制を整えることができたのに加え，本研究に関連する成果を公表することもできたため，遅れは最低限であり，総合的には，「(3)やや遅れている」であると自己評価した．
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の予定通り，引き続き①ボランタリー組織及び周辺環境（都市・社会・政治経済）に関する研究動向の整理・分析を進めるとともに，②本年度に整理したデータを用いたNPO法人の空間的特徴の定量分析や，③ボランタリー組織が特定の地域に立地する背景や存立する基盤に関する本調査を進める．新型コロナ・ウィルス感染症の影響が続くことを鑑み，当初の予定より②の定量分析のウェイトを高めることを計画している．具体的には，次年度の秋に発表される予定の2020年度の国勢調査の「人口基本集計」の結果を用いるなど，分析のためのデータを充実させることや，NPO法人に関するデータをより詳細に分類することなどを検討している．一方で③については，当初，大都市圏から3地域，地方圏から2地域（うち1地域は新潟県）での現地調査を予定していたが，調査地域を減らすとともに，日帰りでの調査可能性を考慮して調査地域を選定することを検討している．
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| Causes of Carryover |
「研究実績の概要」に記したように，新型コロナ・ウィルス感染症の影響により，集計したNPO法人の分析が本年度となったことに加え，当初，新潟県外で予定していた予備調査を実施することができなかったため，旅費や機材購入に係る費用相当が未消化となった．次年度は，「今後の研究の推進方策」に記した①研究動向の整理・分析のための文献の収集に係る費用，②NPO法人の空間的特徴についての定量分析のための機材購入・人件費・謝金，そして③現地調査に係る旅費を中心に使用する予定である．
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