2020 Fiscal Year Research-status Report
Cultural process of Vanuatu women 'Water Music' performers
Project/Area Number |
20K01185
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
諏訪 淳一郎 弘前大学, 国際連携本部, 准教授 (40336904)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 音楽 / 女性 / オセアニア / メラネシア / 島嶼 / 水 / 音響認識論 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19感染拡大下において可能な調査研究を遂行した。2020年5月には日本文化人類学会がオンラインで開催されたため、本研究の構想のもととなったパプアニューギニアの男性によるポピュラー音楽の実践過程について個人発表を行い、これに関する意見交換を行ったことにより、本研究の目的について音楽とジェンダーの観点からさらに明確なビジョンを得ることができた。また、2021年度に向けて音響認識論を軸とした分科会を立ち上げてのべ5時間ほどオンライン上でミーティングを行い、音楽人類学及び映像人類学関連の研究者と意見交換を行った。この意見交換を通じて、音の現象的側面についてと環境との相互作用の観点から考察を深め、バヌアツで実施予定のフィールドワークにおける水という環境と音の現象とが人々の生活にもたらす相互作用に関する知見を深めることができた。文献調査として、水圏をめぐる人々の活動に関する論文を読み込み、また音楽の人間性に関する論文を参照しながら、本研究のアプローチについて考察を深めた。さらに、現地調査への布石として、ウォーター・ミュージックに関する先行研究論文の執筆者と連絡を取り、その研究者の助言によってオーストラリア人のウォーター・ミュージック関係者と長年来交流のある実践家の方とコンタクトをとり、その方の紹介によってウォーター・ミュージック演者のグループとコンタクトが取れた。これらに加えて、成果発表への取り組みとして、国際伝統音楽学会オセアニア音楽に関する分科会と日本文化人類学会分科会への発表登録を行い、発表要旨を執筆し、発表原稿の執筆を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界的なCOVID-19感染流行のために国内移動と出国ができず、2020年6月に予定していたハワイでの意見交換、2020年9月に予定していたオーストラリアでの研究打ち合わせ、2021年3月に予定していたバヌアツでの予備調査がキャンセルとなった。しかし、代替手段としてオンラインによる必要な意見交換および連絡先の交換を行うことができたため、2021年度以降の調査での際立った支障はない。さらに、2022年度までにバヌアツに渡航できない可能性を考えて、オンラインによる聞き書きを想定した調査計画を立て、現地でウォーターミュージックの実演をしてもらい、それをバーチャルで観察するという方法も考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年4月に国際伝統音楽学会のオセアニア音楽関連の分科会において、パプアニューギニアにおけるポピュラー音楽事例研究についてオンライン発表を行い、複数の研究者からのコメントを受け、本研究におけるバヌアツの音楽状況全般に関する理解の一助とする。2021年4月からウォーター・ミュージックの実践団体と直接連絡を取り合いつつ、今後の調査に向けた交渉を開始する。現地調査に関連して、2021年12月までにバヌアツのグループとのコンタクトを密に取り、以下の項目に関する調査を可能な限りオンラインにより実施する。①ウォーター・ミュージックの団体の概要と活動状況、②現地の女性をめぐる社会構造に関する部分の聞き書き、③ウォーター・ミュージックを演じる身体性に関する言説の聞き取り、2022年以降の調査を射程に入れた交渉と現地事情の情報入手。より効果的なオンライン調査のために、設備備品日を執行してPC環境の整備を行う。オンラインによる研究発表を行い意見交換を行う。2021年5月に日本文化人類学会において音響認識論の関する分科会の代表者となっており、今後とも十分な意見交換が行われる見込みである。
|
Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナ感染拡大のために、予定していた国内・海外旅費、研究発表参加費、研究協力者へのの謝金、およびこれらの活動に必要な設備備品費を使用する機会がなかった。2021年度は、2020年度にオンラインを利用しながら行った活動によって、次年度使用額および、当該年度の所要額を上記の費目に計上しつつ執行する。
|
Research Products
(3 results)