2020 Fiscal Year Research-status Report
ケニアの聾/聴者の相互行為態に関するヴィジュアル・メソッドを用いた民族誌的研究
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20K01189
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
吉田 優貴 (古川優貴) 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (60737063)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体観 / 人間観 / 集団化の指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年中にケニアにてフィールドワークを実施する予定だったが、コロナ禍により渡航ができなくなった。そのため、当初予定していた、ケニアの聾者/聴者の相互行為態の記録と分析はおこなえなかった。 代わりに、その背景にあると考えられる身体観、ひいては人間観について、文献研究とオンライン・インタビューの実施により掘り下げることを開始した。過去の調査・研究で一定程度明らかになったことは、ケニアにおいて聾者/聴者がまったく別の考え方に基づいて生活をしているわけではないということだった。 そのため、2020年中は、これまで10年以上調査に協力していただいているケニア在住の方(聴者、現聾学校校長)に対しZoomを介したインタビューを複数回にわたって実施し、これまでの研究では必ずしも十分におこなえなかった、いわゆる「民族誌的データ」の収集・分析をスタートさせた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により、ケニアへ入国できなかったため。入国可能になったあとも、行動制限があり、しばしばケニア国内でロックダウンが実施されることがあり、ケニア国内での移動(首都から本研究の調査地への移動)が困難だったため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ケニアへの渡航とケニア国内での移動制限が解除されるまでのあいだ、引き続き、Zoom等を介したオンライン・インタビューを通して、いわゆる「民族誌的データ」を収集し、分析をおこなう。 (2)過去の調査を通して得た、ケニアの聾者/聴者の相互行為態に関する動画データの整理(タグづけとデータベース化)および分析を進めていく。 (1)および(2)より、中間的な研究成果として研究論文の執筆をおこなう。
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Causes of Carryover |
本研究の核となっていた、ケニアへの渡航・滞在を含めた調査がコロナ禍によりできなかったため、次年度使用額が生じた。2021年4月時点で首都ナイロビを含めた諸地域でロックダウンが実施されているため、条件付きでケニアへの渡航が可能となっても、ケニア国内の移動ができない状態にある。2021年度もケニアでの調査が難しいことが見込まれるため、最終年度に予定していた英語での論文執筆を前倒しにすることを予定している。また、オンラインでのケニア在住調査協力者への聞き取り調査をひきつづき行う予定である。
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Research Products
(4 results)