2023 Fiscal Year Annual Research Report
Inter-island Networking of the Pukapuka Atoll Communities: A Study by Multi-sited Approach
Project/Area Number |
20K01190
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
深山 直子 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (90588451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚橋 訓 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50217098)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クック諸島・プカプカ環礁 / NZ・オークランド / 移民コミュニティ / 社会組織 / インターアイランド・ネットワーク / レジリエンス / 土地 / 資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、クック諸島・ラロトンガ島とNZ・オークランドにおける、2つのプカプカ人移民コミュニティを分析対象とし、両コミュニティと故郷のプカプカ環礁社会が協働する実態を描き出すことを通じて、リスク社会におけるレジリエンスの所在としてのインターアイランド・ネットワークを考察することを、その目的としている。 2023年度の8月には、代表者および分担者がニュージーランドのオークランドを訪れ、移民コミュニティ組織の代表者および主要メンバーを対象に、組織の歴史的経緯や互助的活動の内容、オークランドに所在する別の移民コミュニティ組織との関係性等について聞き取りを行った。次にラロトンガ島を訪れ、移民コミュニティ組織の代表者および主要メンバーを対象に、組織の文化的活動の内容やプカプカ環礁のコミュニティとの関係性等について聞き取りを行い、集会での参与観察も実施した。さらに、最も古くからプカプカ系移民が集住する地域を訪れ、歴史と現状に関しても情報を得た。 本研究ではCOVID-19問題により2020年度、2021年度は海外渡航が不可能だったために進捗に遅れが生じた。しかしながら、2022年度および2023年度には、ラロトンガ島とオークランドにおけるフィールドワークを通じて、それぞれの移民コミュニティの特徴が把握できた。また、複数の島嶼に所在するコミュニティは、組織化することを通じて、移民間の互助のみならず、環礁固有の文化の再活性化や環礁の災害復興支援を担ってきた実態が明らかになった。その際に、インターネットを通じた情報共有と、島嶼間のひとの移動が鍵であると考えられる。プカプカ環礁社会は、インターアイランド・ネットワークという視点から脱地域的なプカプカ社会として捉え直す必要があることは確かだ。研究成果の一部は、国内外の学会にて既に発表しており、現在も新たな学会発表の準備や論文執筆を進めている。
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