2022 Fiscal Year Annual Research Report
Anthropology comes to our town!: for constructing digital anthropo-rium.
Project/Area Number |
20K01200
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
後藤 明 南山大学, 人文学部, 教授 (40205589)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人類学 / 民族学 / 考古学 / 天文学 / プラネタリウム / アイヌ民族 / 琉球・奄美 / ポリネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研は人類学者がサイエンスと地域住民をつなぐ接合役として、エアドーム式プラネタイルムを用いた活動(文化天文学)を行うことを主目的としていた。 2022年度は10月に鹿児島県喜界町において、2021年度に続き町民が天文解説に挑戦する企画「アンソロポリウム in Kikaijima」を実施し、小学生から大人まで解説を担当した。内容は奄美・喜界島の星空から、南下して南半球東チモールを中心とするインドネシアの星座の比較であった。東チモールは本企画に協力した喜界島サンゴ礁科学研究所が共同調査を進めている地域で、隆起珊瑚礁という意味で喜界島と共通する地域なので、両島の将来的な交流の基礎にもなった。 また「アンソロポリウム in Nanzan」であるがコロナ下のため、2020年度と2021年度は解説映像を完全映像化し、オンラインで配信するという形をとった。そして2022年度は人類学フェスティバル自体が3年ぶりに対面で行われ、平面スクリーン上ではあったが文化天文学的な映像解説を披露した。 また、本科研の実績を踏まえ、2022年12月には佐賀県吉野ヶ里歴史公園にて公園主催の歴史文化イベント「光の響き」の一環で、対面のプラネタリウム企画「卑弥呼は南十字星を見たか?」を実施できた。この中では精密な考古天文学シミュレーションシステムであるarcAstroVRを使った、弥生時代の星空映像を組み込むという試みを行った。 このように本申請はコロナという不測の状況を、映像制作とオンライン配信で代替し、また可能な場合、対面の形式で実施するという多様な方式を試みることができた。 さらに今後、このような活動を広範囲に広げていくために、北海道新日高町の二部谷において、「アイヌ民族の星空」を行うための準備のため、町の教育委員会関係者と面談し可能性を探った。
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