2020 Fiscal Year Research-status Report
高度経済成長期に建設されたニュータウンの生活史-移住者も含めて-
Project/Area Number |
20K01212
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
宮内 貴久 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10327231)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ニュータウン / 高度経済成長期 / 団地 / 再開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
1965年に福岡市南部に福岡市住宅供給公社により開発計画された弥永団地は、公営住宅と分譲住宅・宅地分譲の二つの異なるタイプの住宅団地である。前者は福岡市域に低所得者向きの賃貸住宅、後者は春日市域に持ち家として建設された。両団地とも入居当初は30代の核家族が主流であり、1970年代はその子供たちで小学校はマンモス校となった。 建設から約50年経ち、市営団地は2013年から建て替え工事が進められ再開発が行われている。新築当時から継続して居住している住民は約二割であり高齢化が進んでいる。分譲住宅は増改築が行われ、建築当初の住宅は2軒しかない。多くの住民は継続して居住しているが、更地や空き家も増加しており、高齢化率は44.3%と春日市内で最も高い。 本研究は両団地に入居した核家族、移住者も含めて、どのような人生を送ったのか追跡調査することにより、ニュータウンは世代交代可能なのか、持続可能な住環境なのか検証することを目的とする。 2021年度は福岡市南区弥永団地、春日市泉でフィールドワークを行った。ただし、新型コロナ感染症蔓延のため、緊急事態宣言発令時など、計画通りにフィールドワークを行えなかった。また、住民からの聞き取り調査も控えた。また、移住者からの聞き取り調査も断念した。そのため、再開発されて行く弥永団地の参与観察調査を行った。例えば、古い団地から新しい団地に引っ越す様子の参与観察、処分された家財道具の写真撮影を行った。春日市泉では、1972年の住宅地図を基にして継続して居住している家の特定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症蔓延のため、緊急事態宣言発令など、行動を制限されたため、計画通りフィールドワークを行うことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の感染状況、行動制限の状況をみながら調査研究を進めていく。当面は対面での聞き取り調査を行うことが厳しい状況が続くと考えられるので、聞き取り調査を行うことは控える。 代わりに人と会わないで行える参与観察を中心に進めていきたい。具体的には建て替え工事が行われている弥永団地の工事の様子の写真撮影、退去時に廃棄された物の写真撮影、春日市で1972年の住宅地図を用いて住民の移動の検証など参与観察を中心にした調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症蔓延、緊急事態宣言発令などで行動が制限されたため、計画通りフィールドワークを行うことが出来なかったため繰り越した。今年度は、新型コロナウィルス感染症の感染状況と、緊急事態宣言などの行動制限の状況をみながらフィールドワークを行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Book] 現代家族のリアル2021
Author(s)
中込睦子、中野 紀和、中野 泰
Total Pages
336
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
978-4-623-09085-3
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[Book] 不安と祈願2020
Author(s)
新谷尚紀
Total Pages
208
Publisher
朝倉書店
ISBN
978-4-254-53582-2
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