2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K01221
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| Research Institution | Atomi University |
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Principal Investigator |
森谷 裕美子 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (40221709)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 技能実習生 / 先住民 / 国内移動 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フィリピンで長年にわたって低地民から周辺化されてきたルソン島北部の先住民が近年、農業技能実習生として日本に多く送り出されるようになって、実習先の日本ではさまざまな問題が起きているが、その一方で送り出し側のフィリピンでは先住民がこうした「国際移動」で得られた資金をもとに、自分たちの農地で出稼ぎ労働者としての低地民を雇うといった「国内移動」における地位の逆転現象が起きているという事実に注目し、ルソン島北部から実習生を受け入れてきた日本の団体とその実習生の日本での生活実態、および北部ルソンで先住民の下で働く低地民の生活状況の2点について調査を行うことで、こうした移動にともなう問題や課題、さまざまな問題を抱えながらも先住民たちが日本に向かう理由を明らかにし、在日外国人労働者や移民送出国の人々に対する支援の在り方を公共人類学の立場から検討することであった。
そのためには日本国内とフィリピンでの現地調査が必須なのはいうまでもなく、初年度から現地での調査を数回、実施する予定であったが、Covid-19の影響によりそれが不可能となり、今年度についても未だ回復の兆しは見られず、国内およびフィリピンでの現地調査を断念した。そのため、昨年に引き続き文献調査及びメールでの情報収集を行い、日本で農業労働者として働くフィリピン人、とりわけ厳しい自然環境の中で「伝統的」に農業を営んできた北部ルソンの先住民について、その困難な現状と、それでもなお彼らを日本に向かわせる動機とは何かについて明らかにした。
しかしながら、次年度に国内およびフィリピンでの調査を実施できるかどうかは不透明な状況であり、当面は文献調査を継続する予定であるが、現地調査を今年度、実施することが困難であれば、さらなる研究期間の延長も検討せざるを得ないだろう。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究には、日本国内とフィリピンでの現地調査が必須であり、当初の計画では、現地での調査を初年度から数回、実施する予定であった。
しかしながら、Covid-19の影響により、フィリピンでは渡航禁止勧告が早々に発令され入国が困難となり、また国内での調査も訪問先にご迷惑をおかけすることになるため、この状況が改善されるまで調査は見合わせることとしたが、それが現在も続いている。そのため、初年度および2年目に行う予定であった現地調査が現時点で未実施である。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究の中心となるのは、現地調査で一次資料を収集し、そこから「人の移動」にともなうさまざまな問題点を明らかにし、その支援のあり方を検討することである。
したがって今後はCovid-19の感染状況が改善され次第、現地での調査を実施したい。幸いフィリピンへの入国は可能となったためフィリピンでの調査および資料収集は開始するが、北部ルソンの調査地自体は未だロックダウン状態で、国内調査においても調査開始の目途はたっていない。そのため、状況によっては、北部ルソンでの調査を現地の関係者に外部委託することも検討している。ただし、現地調査が可能となっても次年度ですべての調査を終了させることは困難なため、研究期間を延長する予定である。
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| Causes of Carryover |
初年度および2年目に予定していた現地調査が実施できなかったため、今年度、その分も合わせて行う。そのための旅費等として使用する。
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