2020 Fiscal Year Research-status Report
Becoming Groupes by Collecting Money in Southern Ghana, an Ethnographic Study
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20K01230
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
浜田 明範 関西大学, 社会学部, 准教授 (30707253)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 集金 / 集団 / パーティー / 徒弟制 / 儀礼 / 部分的つながり / 経済人類学 / ガーナ |
Outline of Annual Research Achievements |
1990年代後半以降、ガーナ南部では、現地で「パーティー」と総称される集金実践が盛んに行われるようになっている。本研究は、結婚式や免許皆伝祝いといった、この「パーティー」において、どのように貨幣が集められているのかに注目することで、①より多くの貨幣を集めるために贈与や交換や再分配の論理がどのように組み合わされているのか、②そのような具体的なやり取りのなかでどのような集団がどのように立ち上げられているのか、③パーティーにおける集金実践は葬儀や礼拝やアソシエーションといった異なる場における集金方法とどのように関連しているのかの3点について、具体的なやり取りと複数の経済活動の連なりに注目しながら明らかにすることを目的としている。 2020年度は、上記の目的のうち特に①の課題に焦点を当てながら、ガーナ南部における現地調査を実施するとともに、経済人類学に関する文献研究を行う予定であった。このうち現地調査に関しては、COVID-19のパンデミックの影響を受け、実施することができなかったため、過去に実施した現地調査で収集したデータの整理・再検討を行った。特に、免許皆伝祝いを盛んに行うとともに、衣装を作成することで他の人の「パーティー」にも貢献を行う、仕立屋とその弟子たちについての基礎データを整理し、研究ノートを発表した。経済人類学に関する文献研究に関しては、カール・ポランニーやデヴィッド・グレーバーの著作を再読することで、本研究の理論的背景を深めるとともに、経済活動と美や装いの関係に関する文献研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19のパンデミックにより、当初予定していたガーナ共和国南部における現地調査を実施できなかったため、当初よりも研究がやや遅れている。また、同様の理由により、2021年度も予定していた現地調査を実施できない可能性が高く、研究計画の大幅な見直しを行う必要を迫られている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ガーナ共和国南部における現地調査を実施できないという課題に直面しているが、2022年度以降に現地調査を実施することを念頭に、本研究を推進するための現地調査以外の方法として文献研究と、過去に実施した現地調査で収集したデータの整理、オンラインでのインタビューを通じた補助的な調査を実施する。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックによるガーナ共和国南部での現地調査を実施することができなかったため、当初予定していた通りに予算を執行することができず、次年度使用額が生じた。これに関しては、2021年度に実施予定の文献研究に使用するほか、2021年度後半に国内の研究会に参加することで使用する予定である。
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