2023 Fiscal Year Research-status Report
Becoming Groupes by Collecting Money in Southern Ghana, an Ethnographic Study
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20K01230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜田 明範 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30707253)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 集金 / 集団 / パーティー / 徒弟制 / 儀礼 / 部分的つながり / 経済人類学 / ガーナ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、これまでに実施してきたガーナ南部における集金実践の経済的な側面と美的な側面についての研究を統合するための理論的な検討に力を入れた。 西アフリカや東アフリカにおけるアソシエーションや社会運動に関する民族誌についての文献研究を実施することで、政治経済的・社会生物的な構造のなかで人びとが体験している貧困や闘病生活という極めて現代的なセッティングにおいて、貨幣とそれを集める必要性がいかに人間のあり方を一定の方向に導いていくのかについて理解を深めた。これらの状況と並べてみると、本研究において焦点を当てているガーナ南部の集金活動はよりローカルな場面において、ひとりの人間が同時に複数の集団に属しながら、それぞれの集団に貢献し、また、集団から支援されるという錯綜した関係にあることがわかった。 同時に、当該地域における集金実践がとくに生老病死や冠婚葬祭に関連していることに改めて注目することにより、貨幣を単純に自己増殖する資本として捉えるだけでなく、それがいいかに当該地域で暮らす人びとの人生と生命にも変換されているのかについて検討する必要が明らかになった。 また、これらの検討を通じて得られた知見をまとめるための民族誌の執筆活動を行った。この作業の成果は本年度中にまとめることができなかったが、2024年度中に発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19のパンデミックや、研究対象地域であるガーナ共和国のデフォルトの影響を受けて現地調査を実施できていないために、全体的な研究の進捗に遅れが出ている。この問題を克服するために、過去に収集したデータの分析や隣接地域における先行研究の文献研究へと方針を切り替えたが、当初予定していた研究期間内に遅れを取り戻すことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
経済人類学の文献研究を継続しながら、ガーナ南部における集金実践についての民族誌的な記述を積み上げ、成果論稿を発表する。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックや、研究対象地域であるガーナ共和国のデフォルトの影響を受けて現地調査を実施できていないために、研究活動の進捗に遅延が生じ、次年度使用額が生じた。これについては、当初の予定通り成果公開のために使用する。
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