2022 Fiscal Year Research-status Report
An interdisciplinary study on the shapes of winnowing baskets as embodiment of local cultures
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20K01235
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
今石 みぎわ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 主任研究員 (80609818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 光徳 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (60214996)
植田 憲 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40344965)
松永 篤知 金沢大学, 資料館, 特任助教 (50805760)
桃井 宏和 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50510153)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 箕 / 編み組み技術 / 編組品 / 民俗技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は箕の形態の地域的多様性に着目し、民俗学・考古学・デザイン工学からのアプローチにより、箕の形態・機能と地域社会の在り方がどのように相互連関しているかを分析することを目的とする。 1.悉皆調査 博物館等に収蔵された箕資料の悉皆調査として、7月に埼玉県鴻巣市、8月に秋田県立博物館、11月に岩手県宮古市で調査・記録を行った。共通した形式で記録するため調査カードのフォーマットを作成し、まず7月の鴻巣市での調査(箕4点)において調査カードや調査方法の検討を行った。これに基づき、8月の秋田県立博物館の調査では196点の箕(一部関連道具)について写真撮影と観察を行い、素材・寸法を記録した。11月には岩手県宮古市の奥畑正宏コレクション推定250点のうち172点について、産地や素材などの一覧表の作成とメモ用の写真撮影を行った。また奥畑氏の調査ノート(約300頁)を借り受け、記載内容をデータ化した。 2.箕振り動作の動態解析 岩手県において面岸箕を用いた大豆と雑穀の箕振りを実演していただき、研究分担者の千葉大学・植田憲氏が中心となって箕振り動作のモーションキャプチャ動画を取得した。現在動態解析を進めている。 3.文献等の調査・整理 研究協力者の桂眞幸氏が中心となり、引き続き近世~近代における関連文献の調査・整理を進めている。今年度は明治内国勧業博覧会の追加資料の分析や、大正期副業調査、箕関連地名などを整理し、公開に向けて準備を進めた。また、これまでに収集した未編集の箕作り映像のうち、兵庫県の「北条箕」について、編集の上、無形文化遺産部HP(「箕のかたち」)で公開した。これで公開中の箕の映像は合計16件となった。 4. その他「箕の研究会」(参加者約35名)を主催し、6月13日に第7回箕の研究会を開催したほか、メーリングリスト等を通じて随時情報・意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきたことから、延期していた現地調査を中心に、順調に実施することができた。ただし、コロナ禍と研究代表者の産休・育児休暇で2年間現地調査を行うことができなかったため、製作者への調査が実施できていないなど、全体としては影響が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.悉皆調査 奥畑コレクションの残りの箕のリスト化および記録、西日本の箕を多く有する奈良県の森本コレクションの調査等の実施を予定している。また収集したデータをもとに、各地の箕の形態について、研究分担者の久保光徳氏を中心に構造力学的な分析を行う。 2.箕振り動作の動態解析 2022年度に取得した面岸箕のデータと、これまでに取得・分析している千葉県匝瑳市の木積の箕との比較を行うことで、箕の形の違いがどのように箕振り動作を規定しているのかの分析を進める。また、これら2点の片口箕とは形態が大きく異なる「丸箕」の箕振り動作の取得・分析を計画している。 3.文献等の調査 考古資料関連の調査を進めると同時に、近世~近代における関連文献の整理を進め、報告書として刊行できるように編集を進める。 4.その他 関係者のネットワークである「箕の研究会」を引き続き主催し、情報交換や議論を進める。
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Causes of Carryover |
産前産後休暇・育児休暇の取得に伴い研究期間を1年間延長したため、来年度分の調査費(悉皆調査旅費)および報告書作成費に充てるため、残金を繰り越した。
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Research Products
(3 results)