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2020 Fiscal Year Research-status Report

Basic Studies on the Provisions of "Non-intentional Murder" in Tang China

Research Project

Project/Area Number 20K01254
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

中村 正人  金沢大学, 法学系, 教授 (60237427)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川村 康  関西学院大学, 法学部, 教授 (00195158)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords中国法制史 / 唐律 / 前近代中国法
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、中国中世期の唐王朝が制定した唐律(正確には『唐律』とその公権的註釈書である『律疏』をもとに、後の時代に編纂された『唐律疏議』)全12篇中の第8篇目に当たる闘訟律の前半部分(暴行・傷害・「故意なき殺人」等の罪に関する条文である第1条から第38条まで)の現代日本語訳を作成することを主たる目的としている。
唐律は、唐以前の諸王朝における法典編纂活動の集大成として成立し、また唐以降の諸王朝の法典編纂において多大な影響を与えたという意味で、前近代中国法を代表する法典である。したがって唐律は、前近代中国の法制度を研究する者にとって、その対象とする時代を問わず、基本資料の一つであると言える。さらに唐律の影響は、同時代の東アジア諸国だけではなく、近現代の日本法や中国法(台湾法も含む)・韓国法にも及ぶ。日本や中国・韓国の法制度研究者、さらには比較法文化史や現代刑法学等を学ぶ者にとっても、唐律は重要かつ貴重な史料である。
この唐律の重要性に鑑み、日本ではすでにこの唐律(『唐律疏議』)の註釈書(律令研究会編『訳註日本律令5~8(唐律疏議訳註篇1~4)』)が刊行され、現在に至るまで多くの研究者によって利用されているが、この註釈書は訳文の文体に漢文訓読体が採用されているため、この種の文章に慣れ親しんでいない者にとっては読みやすいものではなく、唐律に対する広範な学術的需要に必ずしも応えられるものとは言い難い。
こうした事情から、本研究課題では唐律疏議を現代日本語に翻訳し、重要な語句に註釈をつけることによって、法制史研究者以外の利用を容易ならしめることを意図しており、今年度は闘訟律第21条から第30条までの翻訳を完了し、近日中に公表する準備を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度においては、2回の研究会(オンラインにより実施)において『唐律疏議』闘訟律の21条から30条までの現代語訳の作成およびその検討を行った。これは各研究年度において10箇条程度の翻訳を行うとする当初計画に合致しており、それ故本研究課題は「おおむね順調に進展している」と評価できる。

Strategy for Future Research Activity

次年度においては、引き続き唐律闘訟律第31条から第38条までの現代語訳作成作業を遂行するために、年2~3回の研究会を開催し、研究課題メンバーで翻訳の検討を行う。研究会は可能であれば対面で実施する予定であるが、コロナウィルスの感染状況によっては2020年度と同様にオンラインで実施する可能性もある。
最終年度の2022年度には、これまでの翻訳作業を通じて得られた知見に基づき、研究課題メンバーによる「故意なき殺人」に関する規定についての研究成果を研究会で報告し、最終的には、闘訟律の現代語訳とともに研究報告書にまとめて公表することを予定している。

Causes of Carryover

今年度はコロナウィルスの感染状況が落ち着かず、拡大・収束を繰り返していたため、研究会開催のための旅費の執行状況が執行期限間際まで見通せず、結果的に少額ではあるが執行残高が発生した。次年度はある程度コロナウィルスの感染状況が落ち着くことを見越して、研究会開催の回数を今年度より多めに計画し、そのための旅費分として活用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 『唐律疏議』闘訟律現代語訳稿(2)─第11条から第20条まで─2020

    • Author(s)
      中村正人・唐律疏議講読会
    • Journal Title

      金沢法学

      Volume: 63(1) Pages: pp.175-212

    • Open Access
  • [Journal Article] 宋代以勅補律考:宋律勅合編序説2020

    • Author(s)
      川村 康
    • Journal Title

      法と政治

      Volume: 71(1) Pages: pp.1-154

  • [Journal Article] [刑名枉錯の断例]の紹介2020

    • Author(s)
      七野敏光
    • Journal Title

      東洋法制史研究会通信

      Volume: 34 Pages: pp.1-5

URL: 

Published: 2021-12-27  

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