2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Japanese Constitutional Patriotism
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20K01268
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 一久 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (50360201)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 憲法 / パトリオティズム / 憲法教育 / 平和主義 / 天皇制 / 社会統合 / 憲法解釈 / 市民的不服従 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、憲法パトリオティズムの日本における応用可能性を検討することにある。憲法パトリオティズムは、憲法上の普遍的価値である自由や平等などに対する愛着と定義し得るが、ユルゲン・ハーバーマスによる議論で有名になり、2000年代以降、ドイツ固有の議論から離れ、政治哲学分野において社会統合の一つのあり方を示すものとして注目されるようになった。しかし、どのように応用可能かについては十分に解明されておらず、日本においても議論の蓄積が十分とは言えない状況にある。 今年度は文献研究を主として、ドイツでの最新の議論を検討するとともに、日本における応用可能性について、憲法解釈、社会統合と天皇制、平和主義、憲法教育、市民的不服従の5領域について研究を遂行した。今年度は次年度以降に向けての基礎的な検討と位置づけられ、研究成果については、次年度以降、法学専門誌などにおいて発表予定である。 また当初の研究計画にはなかったが、新型コロナウイルスの問題が浮上したことから、この問題に対する政府の対応について、国民の連帯ないし連帯感の醸成の観点から検討した。とりわけ法学館の憲法研究所報23号において、学校の一斉休校の問題について取り上げ、内閣総理大臣の要請の法的問題(休校決定の権限、閣内の任務分担、リスクの評価と決定プロセス)、生徒の学習権の問題(休校中の学習、ICT教育、GIGAスクール構想など)を重点的に検討し、発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響もあり、海外での研究交流ができなかった。しかし、新型コロナウイルスについても、本研究の射程を広げており、それを補う分の研究は出来ていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、海外との交流は難しいと予想される。しかし、当初、計画していた5領域のほかに、新型コロナウイルスと社会統合の問題についても、重点領域として研究を進めて行きたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、学会出張がなかった。
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Research Products
(1 results)