2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Institutional and Operational Developments of the International Courts and Tribunals in "Global Public Area"
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20K01311
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 啓亘 京都大学, 法学研究科, 教授 (80252807)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際司法裁判所 / グローバルな公共区間 / グローバル・ガバナンス / 司法機能 / 世界貿易機関(WTO) / 国際海洋法裁判所(ITLOS) / 投資協定仲裁 / 法の支配 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際裁判所が国際的な規範を適用して「グローバルな公共空間」における国際法制度のガバナンスを実施する状況を検討する本研究において、国際裁判所の機能の確認とともにその活動のフォローは不可欠の作業である。これまでの研究と同様、本年度も国際裁判所の代表格である国際司法裁判所の機能を検討してきたが、本年度はさらに、海洋法に関する紛争を海ケうする国際裁判所である国際海洋法裁判所(ITLOS)と、国際貿易分野の紛争を解決する機関として世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(小委員会、上級委員会、DSB)、さらに投資紛争に関して設置される投資協定仲裁を取り上げ、その活動に関する考察を行い、「グローバルな公共空間」における役割を明らかにした。これらはそれぞれ、「国連海洋法条約(UNCLOS)における『人類の共同の財産』(CHM)原則の射程-その内在的限界の可能性に関する覚書-」『法学論叢』第192巻1~6号(2023年)101-129頁、「GATT/WTO体制における『安全保障例外』の審査可能性とその意義」『エネルギー資源確保に関する国内外の法的問題の諸相 2015~2016年度エネルギー資源確保に関する国際問題検討班報告書』(日本エネルギー法研究所)、「日本が締結した経済関係協定における安全保障例外条項について」『エネルギーに関する国際取決めの法的問題の諸相 2017~2018年度エネルギーに関する国際問題検討班報告書』(日本エネルギー法研究所)において公表した。 また、「グローバル公共空間」を視野に入れて国際社会における国際法の機能を包括的に考察した論考として、「国際法学者は国際社会における『法の支配』の夢を見るか①~⑥完」『書斎の窓』No.687~692(2023-24年)27-32頁、44-51頁、44-52頁、39-47頁、40-50頁、29-40頁を公表した。
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