2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K01329
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水島 郁子 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 教授 (90299123)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 労働法 / 医師の働き方改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、働き方改革実行計画等が目指す将来の社会における労働法・社会保障法のあり方を考察し、いわばイノベーティブな共生社会における労働法の探求を、将来的な課題とするものであるが、その1つの切り口として、診療従事勤務医(医業に従事する、労働者である医師)の働き方に着目するものである。 医師は聖職であり労働時間規制になじまないとする考えはかつて支配的であり、勤務医の超長時間労働は周知の事実であった。働き方改革実行計画において、勤務医については5年間、労働時間規制が猶予されたが、時間外労働の上限規制が適用される2024年に向けて、労働時間管理や長時間労働を抑制する取組みが、進められている。 今年度は、病院の取組みのほか、医療機関勤務評価制度について、現状把握を行った。医師の長時間労働の抑制と安定した医療供給を両立すべく、2024年に向けて、諸課題を克服し、着実に準備が進められていることを確認した。 今年度は、台湾における勤務医の労働時間規制と現状について、現地でヒアリング調査を行った。台湾では研修医の労働時間について先進的とも評価しうるガイドラインが制定されているが、ガイドラインにとどまり法規制が進まない事情を知り、また、ある機関の研修医の労働時間についての詳細な現況調査を入手し、具体的な状況を知ることができた。台湾でも労働時間改革が進められているが、勤務医については改革の段階でないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本務の都合(職務多忙)により、オーストリアでの現地調査を実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度中のオーストリア現地調査はきわめて短期日程となることが予想されるため、文献調査を主体とし、早期の文献収集に努める。現地調査ができない場合は、メール等によるヒアリング調査に変更する。
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Causes of Carryover |
職務多忙による研究進捗の遅れと、ヨーロッパ出張を伴う調査ができなかったため。 書籍や報告書等を購入し、文献調査を強化するほか、ヨーロッパ出張を遂行できるよう調整する。
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