2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental Study on rules of presenting evidence at the criminal trial
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20K01350
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田淵 浩二 九州大学, 法学研究院, 教授 (20242753)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 最良証拠 / 刺激証拠 / 当事者主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
最良証拠の原則の研究の一環としてアメリカにおいて「最良証拠主義」論を提唱したDale A. Nanceの論文を中心に、最良証拠主義論が登場した理由、その意義、最良証拠主義論が与えた影響を解明するための研究を行った。その結果、アメリカにおいて最良証拠主義は、事実認定の正確性を担保するための当事者主義の修正原理として唱えられており、条件付き関連性論、証拠の関連性の基礎(foundation)論、科学的証拠の許容性論、伝聞例外の体系論、不提出証拠に対する措置論などの各論の基礎を与える有益な概念であるとの知見を得ることができた。本研究成果を取りまとめるのに2022年度3月まで時間を要したことから、研究成果の取りまとめは既に終了しているものの、その公表は2023年7月下旬になる予定である。 また、最良証拠の原則と関連する国内の問題として、刺激証拠の許容性が争点となった事件の判例解説を行うことができた。本研究の成果は2022年10月に市販の判例解説雑誌を通じて公表した。本稿の執筆を通じて、刺激証拠の使用をめぐる問題を当該問題に関心のある弁護士との研究会を設け研究を継続していく予定であり、研究期間後にはなるが、さらに包括的な研究成果に結びつける契機とすることができた。 その他、最良証拠主義論は当事者主義の修正原理であって当事者主義そのものの理解と不可分の関係にあることから、根本的には当事者主義をどう理解するかと関係するところ、たまたま日本における当事者主義をめぐる議論を整理するための好機を得ることができ、法律専門誌を通じてその成果を公表することができた。
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Research Products
(3 results)