2020 Fiscal Year Research-status Report
債権の担保化による資金調達と 、担保の機能、担保の効力の内実・外延の、重層的分析
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20K01372
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤井 徳展 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (40381975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 債権担保化 / 集合債権譲渡担保 / 将来債権譲渡 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、令和2年度前期末まで、ドイツにて在外研究中であった。この間、受入先であるドイツ・ヴュルツブルク大学法学部民法・国際経済法・国際私法・比較法講座を拠点として、売掛債権の包括的な担保化による資金調達について、ドイツ法との比較法研究の手法で、研究を続けた。 在外研究中は、研究計画との関係では、同所掲の主題のうち、担保の効力の分析(債務者・担保設定者の通常段階の法律関係から危機段階の法律関係までの分析)を進めた。これは、本研究計画年度内に予定している、論文公表等のための補充研究という位置づけである。また、所掲の関連問題のうち、預金債権の担保化について、ドイツ法における議論状況の把握の分析をすすめた。これについては、与信契約に伴う、AGB-Banken(銀行取引約款)に基づく交互計算(Kontokorrent)(約款7号)、また、質権(Pfandrecht)設定(約款14号)設定にかかる、(与信契約)受信者・担保設定者の通常段階における効力と、危機段階における効力──取引の帰すう・担保の効力の変容など──の分析を進めた。そして、判例上の一定の準則(例えば、破産における、口座の凍結Kontosperreと、倒産法上の否認の可否等)を明らかにした。これは、本研究計画年度内に予定している、論文公表等のための準備という位置づけである。また、基盤研究(C)(一般)課題番号2 0 K 0 1 3 9 9「預金債権の相続に関する最高裁判例を契機とする遺産共有概念の多面的検討」(森山浩江大阪市立大学大学院法学研究科教授研究代表)の、研究分担部分の前提整備として極めて有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要所掲の、在外研究中は、受入先ヴュルツブルク大学法学部民法・国際経済法・国際私法・比較法講座での小報告の機会をとらえてそれに準備するために、預金債権の担保化について、研究を進展できた。 しかし、令和2年前期中は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、ドイツ国内もロックダウンが長期間継続したため、結局その小報告を行うことができなかった。のみならず、ヴュルツブルク大学法学部の施設、図書館等の利用も制限されることになった。令和2年前期末の帰国後を含めて、全体としてみると、研究の進展、とりわけ研究成果にかかる論文公表に至らなかった。それゆえ、現在までの進捗状況は、やや遅れているといわざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画との関係では、同所掲の主題のうち、売掛債権の包括的な担保化について、担保の機能の分析、担保の効力の分析を、研究計画年度内に順次公表、集大成する。そして、同所掲の関連問題としての、賃料債権の譲渡・担保化、相殺、差押等との関係、また、預金債権の担保化、相殺、差押との関係については、主としてドイツ法との比較法研究の手法で、「大阪市立大学民法研究会」等で研究の経過を報告するなどして着想を確実なものにするべく、準備を進める。 とくに預金債権の担保化・相殺、差押については、研究実績の概要所掲の、別件課題番号2 0 K 0 1 3 9 9「預金債権の相続に関する最高裁判例を契機とする遺産共有概念の多面的検討」における研究分担部分との有機的な連関をはかる(そのためにも、「大阪市立大学民法研究会」等での報告が極めて有用、かつ、不可欠である)。 在外研究中に思うように研究ができなかった部分については、研究計画年度内に、新型コロナウィルスの感染状況をにらみつつあらためて渡独の機会をうかがって、渡航が可能であればドイツにて補充研究を実施する(それにかかる、研究計画の変更が生じる可能性がある)。渡航が依然不可能なままであれば、国内で、ドイツ法その他外国文献の収集と分析を進める。
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Causes of Carryover |
研究代表者は、令和2年度前期末まで、ドイツにて在外研究中であった。この関係で、令和2年度前期末の帰国後の、「在外研究終了後の、国内の学外研究会(担保法関係)へ参加するため」に、旅費(国内旅費)を計上した。しかしながら、国内のコロナウィルス感染状況をみて、結局年度末に至るまで対面での参加機会を得ることができなかった。そこで、旅費(国内旅費)については、年度末までに随時、使途を物品(図書購入)へと振り替えて執行したが、僅少額について残額が生じた。 令和3年度についても、旅費(国内旅費)を計上しているが、これも、令和2年度と同様、国内のコロナウィルス感染状況をみて、使途を物品(図書購入)へと振り替えて執行する(本研究期間全体を通じて、本学法学部資料室に配架する形で、和書・洋書の購入・収集を継続することが不可欠である)。
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