2021 Fiscal Year Research-status Report
法と心理の連携による離婚紛争の合意解決支援-修復的司法の家族法への展開
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20K01382
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
金 成恩 立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (00723884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斧原 藍 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (10816557) [Withdrawn]
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20437180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家族法 / 法と心理 / 修復的司法 / 離婚 |
Outline of Annual Research Achievements |
「別居・離婚後の子の福祉」を実現するためには、両親の合意による解決が不可欠であるとの視点から、合意形成を阻害する要因を把握するため、判例の状況-親権者・監護者指定、子の引渡し、面会交流-を検討することを中心に研究を進めてきた。合意形成を阻害する最大な要因は、子の利益を保障する仕組みがない極めて簡易な離婚手続きであった。別居中・離婚後の子の利益と不利益は、親の別居・離婚自体ではなく、親の対立・葛藤にどのくらいさらされているのかに委ねられていることが分かった。 しかし、韓国の裁判例は日本のように雑誌などを通じて公表されていないため、実際に韓国(国会図書館)に赴き、裁判例を確保する予定であったが、パンデミックにより2021年も海外出張は中止せざるを得ず、韓国の裁判例の収集・分析は叶わなかった。代替策として、オンラインによる韓国の家庭裁判所の家事調査官らとのヒアリング調査を実施し、参加者との間で一定の意見交換を行うことができた。具体的には①協議離婚時の夫婦義務面談は、離婚意思や未成年の子をめぐる合意事項の確認の手続きに過ぎず、葛藤緩和のための夫婦相談は勧告であるから、離婚後、面会交流に関してトラブルが発生するケースが少なくないこと、②養育費は、法改正により国家の介入が積極的に行われているため、養育費の受給率が良くなっているが、面会交流については国家の介入を最小化しているため、実効性が低いこと、③上記のような問題点などを解決するための現在制度の補完-例えば、ファミールグループコンファレンス-の課題が山積していることなどに関する有益な知見を得ることができた。 2022年度以降は、「葛藤の軽減、対立関係の修復」のための促進仕組み-ファミールグループコンファレンス(拡大家族含む)-を設けている国々に対象を広げるとともに、各国の改正状況およびその議論状況を継続的にフォローする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の初年度にあたる2020年度は、比較法研究対象地の韓国に行き、判例などの資料収集を、二年目である2021年度は、機関・専門家インタビューや実態調査などを予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、渡航できず、現地での対面による意見交換や情報収集を予定通りに行うことは不可能になった。そこで、オンラインを用いて意見交換を行ったが、得られる情報は、当初に予定していたものと比べて極めて限定的なものであったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も新型コロナウイルスの感染状況が先行き不透明であることから、海外渡航の状況を注視しながら、現地調査実施の可能性を探る。ただし、未だ不確定な要素が多いため、オンラインに切り替えて進めていくなど、今後の状況に応じて研究スケジュールを柔軟に変更して進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、2021年度も学会や研究会がオンラインで行われており、国外の出張が不可能になったことにより次年度使用額が生じた。そこでこの分については次年度に繰り越すことにし、2022年度の交付額と合わせて研究計画にある国内外出張のために使用する。
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Research Products
(4 results)