2022 Fiscal Year Research-status Report
法と心理の連携による離婚紛争の合意解決支援-修復的司法の家族法への展開
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20K01382
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
金 成恩 立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (00723884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斧原 藍 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (10816557) [Withdrawn]
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20437180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 修復的司法 / 面会交流 / 子の福祉 / 促進要因 / 阻害要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、修復的司法を家族法領域に展開しようとする視点から、離婚当事者に寄り添うシステムの構築にむけた「司法と心理の連携」の促進を目指すものである。離婚に伴う子の利益と不利益は、親の離婚自体ではなく、親の対立・葛藤にどのくらいさらされているのかに委ねられている。離婚紛争、とりわけ子をめぐる争いが熾烈化すると、当事者の合意形成がより難しくなる。親の離婚に直面する子が穏やかに成長していくためには、当事者の対立・葛藤が深刻化する前に、早い段階から多くの専門家の支援、いわゆる早期介入といった体制を取ることが不可欠である。そのためには、裁判官・家事調査官・カウンセラー・弁護士などの専門家や行政のサポートが必要である。また、これらの取り組みを実現するためには、前提として司法と心理の連携が不可欠である。とりわけ離婚後のひとり親家庭貧困という社会背景を鑑みて、別居・離婚後の親子の持続的な面会交流が一つのキーであると思われる。2022年度は、2012年から公判された裁判例登録誌に掲載された面会交流に関する裁判例を対象にし、面会交流実施の阻害要因を探った。分析の結果、①離婚時に面会交流の取り決めがなくても協議離婚が成立すること、それにより、②面会交流に関する情報や知識の不足で子のための面会交流の必要性の認識が足りないこと、③別席調停により当事者主導の合意形成が困難であること、④暴言・暴力や子の連れ去りに対する安全性が欠如していること、⑤子の意思表明や心理状態を把握する仕組み及び離婚に関する子への情報提供等の仕組みが欠けていること、⑥面会交流が子又は親、それとも双方の実体的権利であるのかなど、つまり「現行の離婚制度」と「面会交流の権利性」が面会交流実施の決定的な阻害要因であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
民事法領域での「修復的司法」の展開の動きがある先進国の例の調査の実施が遅れてるが、 2023年度前半に実施する予定である(日程調整中)。
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Strategy for Future Research Activity |
関連立法・改正、実施などの促進要因・阻害要因を明確にし、離婚当事者に寄り添うプログラムを「法学と心理学との融合研究」を通じて検証する。
日本:面会交流支援団体へのインタビューを通じて、親子の交流が促進されたケース、交流がうまくいかなかったケース、それぞれの要因を把握する(インタビュー:6月中実施予定、日程調整中)。 韓国:家庭裁判所の面会交流センター(ソウル、インチョン、デジョン家庭法院)の担当者のインタビューを通じて、面会交流支援の促進・阻害要因を把握する(5月中実施確定)。 ベルギー:Child Focusやオランダ語圏側の社会福祉研究者、メディエータとのインタビューを通じて先進事例を調査する(7月中実施予定、日程調整中)。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で、海外関連機関との対面式のヒアリング調査などが円滑にできなかったので、次年度使用額が生じている。2023年度からはzoomなどではなく対面でヒアリング調査を行う。すでに5月には韓国で、ヒアリング調査の日程が確定されており、7月に予定されているベルギーの調査は現在日程調整をしている。また、6月には日本国内の面会交流支援センターへのヒアリング調査も予定されている。
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Research Products
(4 results)