2023 Fiscal Year Annual Research Report
データ主導経済における営業秘密法制とデータ保護法制の再構築
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20K01435
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山根 崇邦 同志社大学, 法学部, 教授 (70580744)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 営業秘密 / 刑事罰 / 国際裁判管轄 / 域外適用 / データ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は次の3点について研究を実施した。 第1に、わが国の営業秘密の刑事法制の現状と課題について検討を行った。具体的にはまず、①営業秘密侵害に対する刑事罰が導入された2003年以降の法改正の変遷、②捜査機関における営業秘密侵害事件の相談受理件数および検挙事件数の変遷について調査した。その結果、①わが国では一貫して厳罰化が図られてきたこと、②はいずれも10年前の5~6倍に増加していることが明らかとなった。次に、2021年以降の刑事裁判例を調査した。その結果、有罪事例が多いものの、一部無罪を含めると無罪事例も散見されることが明らかとなった。これらの検討を通じて、従業員の個人的な人脈と切り離すことが難しい事例や、データ自体ではなく抽象化・一般化された技術情報の開示が問題となる事例では、過剰な刑事訴追のおそれや課題があることが明らかとなった。 第2に、国際的な営業秘密侵害事案に関して、国際裁判管轄と不正競争防止法の域外適用規定を新設した令和5年不正競争防止法改正に焦点を当てて、検討を行った。本改正により、日本国内で事業を行う者が日本国内で管理している営業秘密に関しては、それが専ら日本国外の事業の用に供されるものでない限り、日本国外において侵害行為がなされたとしても、訴えを日本の裁判所に提起し、日本の不正競争防止法の適用を受けることが可能となった。本改正の意義について、米国連邦営業秘密法の域外適用規定と比較しつつ考察を行った。 第3に、EUの独自のデータ法制について、2024年1月に発効したデータ法を中心に検討した。特に2022年2月の法案段階と比較すると、営業秘密の保護により配慮した条項が追加されたことから、これらの条項について考察を行った。
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Research Products
(7 results)