2020 Fiscal Year Research-status Report
Impact and responsibility of the platform provider on contracts between platform users
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20K01438
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 志津子 桃山学院大学, 法学部, 教授 (30382592)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラットフォーム / 消費者 / 特定DPF法 / C2C |
Outline of Annual Research Achievements |
主に2020年6月3日に交付された特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律(以下「特定DPF法」という。)について検討。特定DPF法は、主に、特定DPF提供者と商品等提供利用者の間の取引における特定DPF提供者義務等を定めるものであるが、二面的取引又は多面的取引であるというDPF取引の特性から、消費者も特定DPFを利用する者として含まれている。DPFという「場」では、一面において特定DPF提供者と商品等提供利用者との間の取引で規律されたことが、他面において商品等提供利用者と一般利用者の間の取引に影響することは避けられないことから、特定DPF法により消費者にどのような影響があるかを考察。 特定DPF法は、①DPF等の定義を定めたこと、②利用者の事業者性を排除し対消費者取引(B2C及びC2C)をも適用対象としていること、③DPF利用契約のための条件を明確化するために必要な事項を商品等提供利用者に開示するよう特定DPF提供者に義務づけていること、④③の一部の開示事項につき一般利用者に対する開示を義務づけた。 特に②については、従来、公正な取引に関する規制として事業者間取引のみを対象としていたところ、今回明確に事業者性を規定せず、消費者が売主にも買主にもなる取引において、取引の透明性・公正性確保のため、その消費者にも規制が及ぶこととされた。 このように事業者と消費者の取引(B2C取引)だけでなく消費者間取引(C2C取引)をも適用対象としたこの意義は大きいが、一般利用者に対する開示義務が一部事項に限定されており、実際の取引における消費者への影響に注視する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ・ウイルス感染症対応のため、ほとんど研究の時間を取れなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
特定DPF法並びに2021年5月10日に公布された「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」が消費者にどのような影響をもたらすかを検討予定。 また、新規制定法を踏まえ、昨年度実施できなかった事業者・消費者に対するアンケートの実施を計画している。
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Causes of Carryover |
新型コロナ・ウイルス感染症対応に追われ、アンケート等を実施することができなかった。 プラットフォーム関係新法の制定を受け、2021年度中にアンケートを実施する予定。 同様に対面による意見交換・情報収集が困難な状況が継続することが見込まれるため、代替可能な場合にはオンラインを通じて意見交換等を行う予定。
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