Impact and responsibility of the platform provider on contracts between platform users

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K01438
• Research Institution: Momoyama Gakuin University
• Principal Investigator: 田中 志津子 桃山学院大学, 法学部, 教授 (30382592)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: プラットフォーム / 消費者 / DPF法 / 電子商取引

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、オンライン・ショッピングモールなど、交換型プラットフォームを利用した取引関係を扱う。
2021年度は、各種統計資料の分析並びに日本とEUにおける関係法令の分析を行った。
世界的に電子商取引は成長を続けており、世界における2021年電子商取引小売売上高は約130兆円（1ドル130円換算）、日本では2020年度の物販系電子商取引の市場規模は12兆2,333億円に上る。世界の電子商取引詐欺も年々増加し、消費者に対する詐欺的取引だけでなく、事業者側が被害者となる事例も増加している。
また、取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律（取引DPF法）、同施行令、同施行規則、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律（改正特商法）を、EUにおいては、Digital Services Act案（COM/2020/825 final）及びDigital Markets Act案（COM/2020/842 final）について検討した。。
改正特商法では、通信販売に関する規制を強化し、被害発生予防のための表示義務化や詐欺的定期購入申込の取消、誤認表示違反に対する罰金が導入された。これらは、プラットフォーム自体の規制ではないが、プラットフォームを利用した詐欺的取引において直接消費者を保護するものである。取引DPF法が、DPF提供業者が講ずべき主な措置を努力義務としているのに対し、Digital Services Act（DSA）案は、事業・市場規模等に応じて義務を課している。義務に違反した場合には、DSA案では、前年度年間総売上高の最大6％、Digital Markets Act（DMA）案では、同最大10％の罰金が科される可能性があるという形で実効性を担保している。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナ・ウイルス感染症の拡大により業務負担が増えたこと、海外渡航・入国に制限があること等から、計画通りに進行していない。
関係法令の検討については進めているものの、渡航状況改善を見込み先送りした、海外で収集・インタビューを終えていない。また、アンケート調査については、コロナ禍による影響の他、アンケート実施に関する技術的・専門的知見が乏しく、実施が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

資料・情報収集については、オンラインによる資料提供・インタビューも含め、必要な情報を得た上で、分析・検討を行う。アンケート調査については、専門家にアドバイス等を依頼して実施する。講演会の開催についても、オンラインによる実施を検討する。研究報告については、国内研究会において報告した上で学内機関誌に発表する。

Causes of Carryover

2020年、2021年に実施できなかったアンケートを実施予定である。その際、アンケート調査実施のために必要な事項につき専門家にアドバイスを依頼する。
海外における調査並びに外国研究者の招聘については、実施の可能性、形態について検討を行う。
その他、データ分析会社資料データ購入に利用する。