2020 Fiscal Year Research-status Report
The Research of Rule of Law in Asia and African Society through Legal Anthropological Approaches
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20K01440
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
河村 有教 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (30403215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正美 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (00298746)
石田 慎一郎 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (10506306)
高野 さやか 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (20586656)
中空 萌 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 講師 (60790706)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 法の支配 / 法人類学 / Legal Pluralism / アジア法 / アフリカ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツ、フランスのヨーロッパの近代法及びアメリカ法の影響を受けて、日本法は、憲法を最高法規として、憲法の内容に反しない法(法律、命令、規則、条例、各種の自治法規)からなる。国家法一元化のもと、宗教が「法」から切り離され(宗教と法の分離)、慣習法は国家法の中に吸収されていった。国際法(条約及び国際慣習法)についても、憲法によって「誠実に遵守することが必要」とされ「法」の重要な一部となっている。こうした日本法のあり方に対して、公式法(国家法)と非公式法が併存する多元的法体制の国も国際社会には存在する。多元的法体制の国においては、公式法と非公式法とのいずれを適用するのか、公式法と非公式法の調整が極めて重要になる。「法とは何か」がそれぞれの国によって異なることから、本研究では研究対象国の「法」を定義づけながら「法の支配」の実例検証を進めていくことになった。 本年度は、新型コロナウイルスの影響により、オンライン(ZOOM)での研究打ち合わせ、研究会の開催になった。それぞれの関心及び本共同研究を通して深めていきたいことについて研究代表者・分担者間で共有し、ケニアにおける法の確実性と不確実性(柔軟性)、インドにおけるNature(自然)に対する公益訴訟、フィリピンのミンダナオにおける「法」の再生、平和と法について、さらに、日本の法整備支援(法と開発)を通して日本型Rule of Lawを法人類学的に検証すること等、国家、社会、自然、個人・家族に係る「法」の支配の問題について、それぞれ研究を進めていくことになった。第1回研究会では、研究代表者が、東アジアの法と社会の問題のうち、香港の自治及び香港の人々の自由に対する香港特別行政区国家安全維持法(2021)による中国の統制の問題を取り上げ、個人を尊重する香港法とそれとは異なる中国法の対立の問題について、研究代表者及び分担者間で討議し検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれのフィールドのこれまでの研究の成果を踏まえつつ、「法の支配」について検討するもので、定期的に研究会を開催しつつ、本研究の目的(実例をもとに法の支配が具体的にどうあるべきかを検証する)の達成を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き定期的に研究会を開催し、研究代表者及び分担者間で、それぞれのフィールドにおける法の支配の問題の共有をはかる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響によって、物品(主に図書)購入のみによる使用で、旅費、人件費、謝金等の使用がなかったため。
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Research Products
(1 results)