2021 Fiscal Year Research-status Report
The Communist Party of China's Multidisciplinary Policy Planning and Implementation: Its Arctic Engagements and Beyond
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20K01449
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
益尾 知佐子 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (90465386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 富士夫 北海道大学, 北極域研究センター, 准教授 (20542278)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中国 / 北極 / 科学技術 / 政策 / 科学者 / 中国共産党 / ロシア / 米国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も、前年度から引き続き、コロナ禍で海外調査ができなかった。そのため文主に文献ベースで中国の北極進出にかかる科学技術研究、および関連の政策の内容を検討していくことになった。 中国が北極進出のために開発を進めているのが、衛星技術を用いた海洋観測技術である。中国は第13次五ヵ年計画期に「国家民用空間インフラ中長期発展規画」を策定し、それ以前から開発を行っていた「北斗」の測位システムに加え、衛星リモートセンシングシステムと衛星通信システムの発展に注力するようになった。近年、中国の宇宙開発はめざましい成果を挙げているが、中国はそうした技術とも連携させながら、地球全体を取り囲むような「空間インフラ」を構築し、それを使った応用技術開発も進めることで、人類社会のレベルを向上させていこうとしている。こうした動向が読み解けたことが、本研究のこれまでの最大の成果である。 本研究はさらにその具体的な内容を分析していくため、昨年度、中国の政策関連の文書の収集・分析を続け、中国の学術データベースで理系の科学論文を集め、中国国内の研究者が何をどのように開発してきたのか検討を進めた。これらの技術開発は北極のみをターゲットとしておらず、海洋関連技術として行われていることが多いため、民間人を対象としており比較的情報量の多い漁業産業などに目配りしながら分析を行った。 ただし、現在のところ科学者と政権との関係性ははっきりしておらず、中国が何を目的としてこれらの開発を行っているのかも明確ではない。ロシアのウクライナ侵攻でロシアでの聞き取り調査はさらに困難になってしまったが、それ以外の北極圏国家で中国の動向について聞き取りを実施する必要がある。また、中国国内における科学政策の立案過程や科学者へのインセンティブ付与の方法などについてもさらなる調査が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、中国および北極圏国家での海外調査ができていないことが最大の問題である。 中国では国内の言論統制が新型コロナの流行後に格段に強まったため、今後たとえ渡航制限が緩和されたとしても、関連調査を再開できる目処がまったく立たない。 それに加え、2022年2月にはロシアのウクライナ侵攻が始まり、北極評議会そのものが機能不全に陥ってしまった(同評議会の2021年-23年の議長国はロシア)。北極圏国家間の関係はますます緊張度を高めており、コロナ禍がある程度落ち着いたとしても、ロシアでの関連調査は当面かなり難しいのではと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行ってきた文献ベースでの分析を継続するほか、中露関係の動向(特に科学技術協力)についても同じ手法で検討を強化する。 2022年度は海外への渡航制限そのものはかなり緩和される見込みのため、北欧諸国での調査はぜひ実施したい。具体的にはアイスランドで中国系の企業や科学者と関わりのある現地法人や政府機関に聞き取りを実施したいと考えている。中国から発信される情報と現地での動向がどの程度一致しているか分析したい。 研究成果のアウトプットは、日本語では随時行ってきたが、問題の性質に鑑みると世界の研究者との意見交換が重要である。今後は英語でのアウトプットを強化し、海外との研究交流をさらに進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で当初想定していた海外調査ができないため、分析の主軸をデータベース等を用いた文献調査に切り替えている。しかし、全体的な研究遂行には海外調査は不可欠なため、海外への渡航制限が緩和される時期を待っている。
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Research Products
(15 results)