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2022 Fiscal Year Annual Research Report

なぜ米兵は裁かれないのか―刑事裁判権をめぐる派遣国と受入国の相克

Research Project

Project/Area Number 20K01455
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

信夫 隆司  日本大学, 法学部, 特任教授 (00196411)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords日米地位協定 / 刑事裁判権 / 刑事裁判権放棄密約 / 刑事裁判権の運用改善 / 米比軍事基地協定 / 米韓地位協定 / ドイツ補足協定 / アイスランド補足協定
Outline of Annual Research Achievements

令和4年度、『米兵はなぜ裁かれないのか』という書籍を刊行したことによって、このテーマに関し、新たな問題点が明らかになった。それは、米兵に対する民事請求権(損害賠償)である。刑事裁判権は公的な関係であるのに対して、損害賠償は、被害者にとって、より切実な問題と言える。そこで、手始めに、NATO軍地位協定の民事請求権の研究をおこなった。
研究期間全体としての研究の趣旨は、日米安全保障条約および日米地位協定に基づき日本に駐留する米兵が、日本国内で日本人および米兵以外の外国人に対して罪を犯した場合、それがどの程度裁かれているのか、ドイツ、韓国、フィリピンなどの例も参照しながら、地位協定の規定の解釈並びに米兵犯罪の実態を解明することであった。
米兵の刑事裁判権は、日米地位協定第17に規定されている。それによると、米兵の特権として、米兵同士の身内の犯罪、米兵による米国の財産・安全に対する罪、米兵の公務上の犯罪は、米軍側に第一次裁判権がある。また、容疑者たる米兵の身柄は、米軍側が先に身柄を確保している場合、日本側が起訴するまで、その身柄は米軍側が確保できる。
これらの特権をめぐっては、これまでも問題とされてきた。特に重要なのは、刑事裁判権放棄密約といわれるものだ。1953年に日米地位協定の前身の日米行政協定の刑事裁判権条項が改定された当時、米兵が犯した軽微な罪に対しては、日本側は裁判権を放棄するとの内容である。本研究では、この問題を日米の交渉過程に遡り明らかにしただけでなく、米兵に対する刑事裁判権の実態も解明した。
また、身柄の確保に関しては、1995年に沖縄で起きた少女暴行事件を契機に、その運用が改善された。日本側が起訴する前でも、その身柄が日本側に引き渡されることになった経緯を明らかにした。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] NATO軍地位協定の民事請求権―日米地位協定のルーツを訪ねて2022

    • Author(s)
      信夫隆司
    • Journal Title

      岩手県立大学総合政策学会ワーキング・ペーパー

      Volume: 159 Pages: 1-54

    • Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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