2021 Fiscal Year Research-status Report
The relations between the theory of state and the discourse of international society in Edmund Burke and its acceptance in German-speaking countries
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20K01459
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
土井 美徳 創価大学, 法学部, 教授 (60306082)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エドマンド・バーク / リチャード・プライス / ブリテン国制 / ウィッグ主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、エドマンド・バークの国家論がフランス革命以後に反革命思想として「ヨーロッパ・コモンウェルス」という国際社会論へと展開されていく過程を解明することにある。 初年度には、上記のバーク思想の転換点となったフランス革命をめぐる彼の最初期の思索を検証するために、とくにバークの『書簡集』にもとづきながら、一連の書簡において断片的かつ漸進的に表現された彼の言説の背後にあった思考構造の再構成を試みた。その際、補助線として、バークがとくに意識していたと思われるトマス・ペインとリチャード・プライスの言説を設定した。 研究計画の2年度目にあたる2021年度は、上記のペインとプライスとの関係性をめぐる考察を受けて、バークが後の『フランス革命の省察』において、なにゆえにとくにプライスを主たる攻撃の対象としたのかを改めて確認するために、バークにとってプライスの言説がどのように映じていたのか、フランス革命という政治的文脈においてプライスの言説がどのような性格のものであり、いかなる帰結をもたらすと、バークが考えていたのか、を明らかにしようと試みた。それは、保守主義的なバークの言説と急進主義的なプライスの言説との「似て非なる構図」を論証しようとするものである。結論的にいえば、バークにとってプライスの言説は、「ブリテン国制論」の言語慣習の延長線上で、バークの「古来の国制」論とは異なる諸原理を読み込んだ、いわば急進的なヴァリアントにほかならなかったのである。このことは、ウィッグ主義をめぐる急進的解釈としてイギリス国内において受容される可能性があることを意味し、実際にバークが所属するロッキンガム派内における新たな領袖チャールズ・ジェームズ・フォックスとの対決を招来することとなる。フランス革命とウィッグ主義をめぐるフォックスの言説は、プライスのそれとまさしく重なり合うものだったからである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画の2年目にあたる2021年度は、初年度の研究成果の延長線上でバークの反革命思想の形成過程をさらに考察することができた一方で、バークの未刊行の資料、とりわけ当時の国際法の権威であったエメール・ド・ヴァッテルの『諸国民の法』(1758年)に関するバークの研究ノートなどについて、予定していたイギリスでの資料収集がコロナ禍による渡航制限の関係で実施することができず、バークの国家論が国際思想へと展開していく過程については研究が当初の予定よりも遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の最終年度にあたる本年の研究は、これまでの研究成果をふまえて、『フランス革命の省察』以降のバークの反革命思想の展開過程について考察を進めていく。そのために、延期となっていた、未刊行資料等のイギリスでの収集を今年度の夏に実施することができればと考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた複数の在外調査がコロナ禍による渡航制限等によって実施することができず、在外調査を延期して実施するためにその旅費を繰り越す形となった。
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