2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K01474
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
近藤 正基 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (80511998)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安 周永 龍谷大学, 政策学部, 准教授 (10612393)
渡辺 博明 龍谷大学, 法学部, 教授 (20308810)
城下 賢一 大阪医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (70402948)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 中道左派政党 / 福祉国家 / 社会的投資 / 排外主義 / 労働組合 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、前年度の勉強会で得た知見を踏まえて、個別に研究を進めた。
近藤は、コロナ危機において社会民主党を含むドイツ連立与党がどのような政策を打ち出したか、福祉政策に転換は見られるのかについて検討を進め、その成果を論文にまとめた。
渡辺は、スウェーデンにおけるこの10年ほどの政党政治の展開について検討した。より具体的には、同国の社会民主党が、当初は泡沫政党であった右翼ポピュリスト政党・スウェーデン民主党を主要な対抗勢力として認めるようになり、さらには移民・難民問題をめぐってその政策的主張を改めるにいたった過程を、社民党側の資料に基づいて検証してきた。その成果については、龍谷大学社会科学研究所の年報の2022年度号に掲載予定である。
城下は、中道左派勢力にとって重要な社会保障政策、とりわけ医療・薬事政策に関する歴史的な研究を進めた。現在のコロナ禍においても適切な医療提供体制を構築することの意義と困難が実感されているところであるが、歴史的に同様の問題が繰り返されてきたことを指摘しており、その成果は論文として公表されている。
安は、これまで主要先進国とは異なる韓国の福祉国家の発展経路について研究を進めた。韓国においては、ヨーロッパにおける主要国に見られる労働組合と社民主義政党との関係から福祉国家が形成されておらず、福祉政策が不十分であったと言われてきたが、近年ヨーロッパとは異なる文脈から福祉制度が整備されている。安は、その理由を労働組合の戦略とほかの社会運動との提携から分析しており、その事例研究として論文を執筆した。
2022年1月には全体の研究会を開催した。斎藤幸平氏に気候変動と資本主義の未来について報告していただき、脱成長において中道左派政党が果たす役割や、脱成長社会における福祉国家のかたちについて議論を交わした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究代表者・分担者がそれぞれの問題関心と接続するかたちで中道左派政党をとりあげ、福祉政治・政党政治の論文を執筆した。コロナ禍のため、特に海外での資料調査・インタビューが制約される中、オンラインで入手できる文献・資料を利用して一定の研究成果をあげていると考えている。
近年、気候変動対策に資する福祉国家のあり方を模索する論考が増えており、そのプロセスで中道左派政党が果たす役割は小さくないと思われる。来年度は勉強会を数回開催し、問題意識をすり合わせた上で、中道左派政党の現状と将来に関する研究を進めていきたいと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
中道左派政党は、再分配政策とそのほかの政策群（移民・難民政策、気候変動対策等）をどのように組み合わせているのか。政策位置は変化しているのか。コロナ禍や戦争といった危機、あるいは政党政治の変容は、中道左派政党の位置にどのような影響を及ぼすのか。すでに一定の成果を出してはいるが、今後さらにこうした点を検討する予定である。新しい研究も発表されているため、勉強会を開催して、まずは問題意識をすり合わせたい。その後、研究者それぞれが分析を進め、論文を公表していく予定である。
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| Causes of Carryover |
コロナ禍のため、資料調査・収集に出かけることができなかった。次年度に調査を実施することにしたため、残金は次年度に使用する予定である
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Research Products
(8 results)
