2023 Fiscal Year Research-status Report
The Formation of the Purpose, Norm and Experience of Balance of Power on the Korean Peninsular -Verification of Post-Cold war Era in the 1990s
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20K01505
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
崔 慶原 常葉大学, 外国語学部, 教授 (00637382)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 米朝協議 / 北朝鮮核問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)韓国の国会図書館で韓国の外交文書の調査を行った。1992年に作成された外交文書の中で「米朝ハイレベル協議」に関する文書を獲得できた。秩序変動期に韓国政府は米朝協議に対してどのような対応を取っていたのか、米朝協議が1回限りで終わってしまったことが、それ以降の情勢にどのような影響を与えたのかについて示唆を得た。 (2)韓国国立外交院の関係者と面談し、同機関が実施してきた外交官のオーラルヒストリー事業について意見聴取を行った。非売品として出版されている貴重な資料を得ることができた。いずれも外交文書だけでは分からない政策担当者の情勢認識や政策決定のプロセスについて示唆に富んだ内容となっている。 (3)九州大学韓国研究センターと九州韓国研究者フォーラムが共催した研究会で、「1965年体制変動への抵抗と順応――日韓協力と和解は相容れないのか」という研究報告を行った。国際秩序の変動と日韓両国関係の関係を構造とプロセスの相互作用の観点から分析した。 (4)1990年代には統一部長官を歴任した姜仁徳元長官のインタビューを実施し、北朝鮮情勢や日米韓の対応について意見交換を行った。統一部長官在任中の対北朝鮮政策と核問題をめぐる国際関係を地域の安全保障の観点から分析する手がかりを得た。 (5)「終わらない朝鮮戦争ー失われた機会、2018-19」と題する論文を刊行した。朝鮮半島の平和体制構築の試み、特に2018-19年の外交努力がなぜ成功しなかったのかについて分析を行った。 (6)公開講座で「東アジア平和のつくり方―日米韓の連携強化から考える―」と「日韓関係交流の歴史」という講演を行い、研究成果を広く一般に公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2回海外で資料調査ができ、冷戦終結後の韓国外交文書を収集し分析を進めることができた。また韓国の閣僚経験者とのインタビュー通して、政策決定者たちの情勢認識について理解を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は1993年に作成された韓国の外交文書と、ブッシュ米政権の外交文書を調査する。それをもとに米朝協議をめぐる各国の駆け引きについて分析を進める計画である。
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Causes of Carryover |
昨年度に米国での資料調査を計画したが、実施できなかった。今年度夏の長期休暇を利用して資料調査を進める予定である。
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