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2023 Fiscal Year Research-status Report

戦後日本の革新勢力とアジアにおける社会党ネットワーク――1950~70年代

Research Project

Project/Area Number 20K01522
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

神田 豊隆  新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70609099)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords日本社会党 / 右派社会党 / 社会主義インターナショナル / アジア社会党会議
Outline of Annual Research Achievements

2023年度においては、本研究に関するものは1本の論文を公刊した。書誌情報などは別記の通りである。
当該論文は、1950年代前半のいわゆる右派社会党について、その対中外交論の背景を論じたものである。その際、西欧を中心に結成されていた社会主義インターナショナルや、アジア社会党会議といった、国際的に組織された社民ネットワークにおける議論とも結びつけた考察を行った。
その内容は、概ね次の通りである。右派社会党(右社)は、革新勢力の一角として、保守政権が台湾の国民党政権との講和に踏み切り、共産中国との関係を犠牲にしたことを批判した。だが右社も、彼らの有していた強烈な反共主義を一つの背景として、当初は共産中国への接近に慎重であった。右社の共産中国への警戒は、彼らが国際的な提携関係を持ち、しばしば模範視していた西欧の社民勢力やアジアの社会党の多くを上回るものでさえあった。ただ、その後東西冷戦の「雪解け」が進展していくと、右社は新たな国際環境認識に基づいて、台湾問題や東アジア地域秩序のあり方をめぐる独自の主張――後者については、いわゆる「新ロカルノ」構想――を展開しつつ、徐々に対中承認に前向きになっていった。右社のそうした主張は、1955年の左右社会党の統一時の合意にも反映された。この論文は、以上のような対中外交論の検討を踏まえて、右社の外交論は従来理解されてきたよりも、固有の思想的背景と主体性を持っていたことを示したものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

COVID-19パンデミックからの負の影響は全て払拭できてはいない、特に海外における資料調査の遅れを取り戻すのに苦心している。ただ、オンラインでの請求などを駆使し、いくつかの重要文書を入手することには成功した。また2023年度は豪州などでの資料調査も行うことができ、パンデミックの負の影響は縮小できたともいえる。関連する研究成果としては1本の論文の公刊に留まったが、刊行が決定している論文や、予定している学会報告などはあり、アウトプットについても進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

今後も最も重要になるのは、とりわけ海外のアーカイブにおける資料収集である。パンデミックの影響は後退しており、今後は本務先での業務の合間を縫って、積極的に海外資料調査を実施していく。
また、いくつかの具体的成果が公刊されたことで、関連分野の研究者との交流もより容易になっており、そうした研究交流も加速していく。特に、学会報告の機会が増える見込みであり、交流の進展は大いに期待できる。

Causes of Carryover

パンデミックの影響により、海外資料調査が大幅に遅れたため、次年度に延期し、調査を実行する必要がある。本年度の夏季休暇などを利用して実行する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 右派社会党の対中外交論――反共、台湾、「新ロカルノ」――2024

    • Author(s)
      神田豊隆
    • Journal Title

      法政理論

      Volume: 56(3) Pages: 47-97

URL: 

Published: 2024-12-25  

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