2020 Fiscal Year Research-status Report
ポルトガルにおける民主化と欧州統合-政治的アイデンティティの変化に注目して
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20K01524
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
西脇 靖洋 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (40644977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 正顕 東北大学, 法学研究科, 教授 (30328992)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポルトガル / 民主化 / 欧州統合 / 政治的アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度においては、研究代表者、研究分担者の両名とも、すでに手元にある資料のほか、オンラインで公開されている史料、新たに刊行された書籍や学術雑誌、日本国内の図書館等に所蔵されている書籍の講読をとおし、各担当分野に関する分析を進めた。 令和2年6月8日(月)、9月5日(土)、11月11日(水)、令和3年2月13日(土)の4回にわたりオンライン会議を実施し、相互に中間的な研究成果について報告するとともに、今後の研究の方向性に関して協議した。特に、ポルトガルの民主化ならびに欧州統合が進展した時代の社会経済的な側面における変化や、民主化において重要な役割を果たした国内外の諸主体に関して知見を共有した。また、研究の最終成果として発表予定の論文の理論的枠組の整理を行った。 また、令和3年3月9日には、東北大学大学院法学研究科政治学研究会との共催により、公開研究会を開催した。成田真樹子氏(長崎大学経済学部・准教授)に報告を依頼した。報告は、隣国スペインのEEC(欧州経済共同体)加盟の経緯と意義に関するものであり、他の南欧諸国との比較も交えながら行われた(論題:「スペインのヨーロッパへの統合ー外国直接投資の変容を通じて」)。報告後、議論を交わしたことで、政治経済学的観点からの本研究に対する示唆を得ることができた。 さらに、研究代表者、研究分担者の両名とも、書籍のなかで、これまでに実施してきたポルトガルにおける政治体制の変容に関する研究の成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、予定していた海外出張調査を実施できなかったほか、郵送により入手予定であった史料集の一部についても到着が大幅に遅れたため、全ての研究の過程が順調に進展しているとは言い難い。 それでも、両名とも、オンライン上における史料調査や理論的考察を行うなど、一定の分析を進めることができた。また、オンラインによる研究会を開催することができた(とはいえ、膨大な量の資料をオンラインで確認し合うのには困難を伴った)。 加えて、中間報告に相当する研究成果を研究代表者、研究分担者の両名とも発表することができた。したがって、困難に直面しながらも、それなりの進展があったと見なすことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度も、対面式またはオンライン形式による研究会を定期的に開催する。対象時期のポルトガルの対外関係および国内政治に関する研究成果報告を相互に行うほか、必要に応じてゲストスピーカーを招聘し、知見を深める予定である。 史料調査については、可能であれば代表研究者が年度内にポルトガルへの出張を行う予定であるが、困難な場合には引き続きオンラインや郵送による史料収集を行う。 また、今年度も、ポルトガルと欧州統合の関連性についての研究成果を書籍または雑誌論文のなかで発表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、調査のための海外出張を実施できなかったほか、研究会・研究打ち合わせのための国内出張を行うことが不可能であったため、旅費予算を使用できなかった。 2021年度には、可能であれば海外出張調査および研究会・研究打ち合わせのための国内出張を実施したい。また、不可能であった場合でも研究を進められるよう、郵送購入により資料を入手することを目指す。さらに、オンライン研究会の開催の可能性についても検討しており、その際にはゲストスピーカーの招聘等に予算を使用する予定である。
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