2021 Fiscal Year Research-status Report
ポルトガルにおける民主化と欧州統合-政治的アイデンティティの変化に注目して
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20K01524
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
西脇 靖洋 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (40644977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 正顕 東北大学, 法学研究科, 教授 (30328992)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 権威主義体制 / 民主化 / 欧州統合 / 植民地帝国 / 労使関係 / 政教関係 / 政党間関係 / 人の移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に実施した研究会および会合により、研究代表者と研究分担者の間で、進めていくべき研究に関する共通理解が進んだ。さらに、2021年度5月30日には、昨年度中にそれぞれが実施した研究の中間成果報告会をオンラインにて開催し、隣国との比較により見出された今後の課題を確認した。 また、8月23日には大澤傑氏(愛知学院大学)をゲストスピーカーとして招聘し、オンライン研究会を開催した。同研究会ではさまざまな国の民主化の事例やその要因について議論された。本研究のテーマとも密接な関連性を有する「政治体制」の変容に関し、新たな知見を得ることができた。 上記を踏まえ、2021年度の残りの期間は、サラザール体制が発足した1930年代前半から、民主主義体制への移行を達成した1970年代中盤、さらにEEC(欧州経済共同体)への加盟を実現させた1980年代中盤に至るまでの時期のポルトガル政治において、本研究と関係が深いと考えられる事項に関する資料調査を実施した。特に、同時期の内政および外交において重要な役割を担った主体のうち、既存の研究では十分な注意が払われていなかったものに関して調査をそれぞれ進めた。 同時に、各自が担当する部分についての執筆に着手し、一つの研究書籍としてまとめ上げるための試みを開始した。また、調査結果や執筆状況について確認すべく、11月4日、3月17日の2度にわたり会合を行った(ともにオンラインにて開催)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポルトガルにおいても資料や書籍を遠隔にて提供するサービスを拡大させつつあることもあり、調査を実施する環境は2020年度に比べ、若干の改善が見られた。 しかし、上記サービスには限界があり、やはり現地資料館や図書館を直接訪問し、調査を実施することが望ましいが、新型コロナウィルス問題が継続し、2021年度も実現できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度内に開始された最終成果の執筆に向けた作業を2022年度も継続し、同年度中の完成を目指す。その間、数回にわたり進捗状況の報告のための会合を開催する。 さらには、講演会の開催など、最終成果を口頭にて報告することを予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、2021年度におけるポルトガルでの現地調査が不可能になった。 2022年度に実施する予定である。
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Research Products
(1 results)